描かれるのはセックスだけ!超過激作『SHAME -シェイム-』日本では“ぼかし”を入れて公開決定!
本国アメリカで最も厳しい上映規制NC-17が付けられ、その過激な映像描写から日本ではお蔵入りの危険もあった、セックス依存症が題材の映画『SHAME -シェイム-』の公開が決定した。映画倫理委員会(映倫)からの「多数の修正を入れないとレイティングさえ付けられない」という指示のもと、ヘアー部分にぼかしを入れるなどして、超問題作は無事封切られる。
本年度ベネチア国際映画祭で主演男優賞に輝き、ロサンゼルス映画批評家協会賞など多数の賞で受賞&ノミネートされたマイケル・ファスベンダーが、セックス依存症の男を演じる『SHAME -シェイム-』。ニューヨークを舞台に、エリートサラリーマンでありながらセックス依存症の男の性を、激しいセックス描写を含めてリアルに映し出す。妹役で出演するキャリー・マリガンがヌードを披露していることでも話題だが、共同生活を送ることになった兄妹がより深い孤独へと転落し始めたことなどから、セックスに傾倒する理由が浮かび上がってくる……。
時折涙も見せるマイケル・ファスベンダーの演技から、男の孤独がひしひしと伝わるドラマ部分も見どころな本作。リアリティーを追求した結果、「17歳以下の鑑賞が全面的に禁止」というアメリカで最も厳しいNC-17のレイティングとなったが、多数の賞に絡んでいることからもわかるように話題は集中。公開1週目の1館あたりの興行成績では、10館という同規模でスタートを切ったアカデミー賞作品賞受賞の『スラムドッグ$ミリオネア』を上回った。予想外のヒットを飛ばしている本作を日本で公開するにあたり、映倫から「該当個所に多数の修正を入れないと『R18+』のレイティングさえ付けられない」という判断が下り、映像アーティストである監督スティーヴ・マックイーンとの修正交渉は難航した。
しかし、「日本の観客に映画を観てもらいたい」と最後は監督が条件をのみ、ヘアー部分などにぼかしを入れて公開が決定。さまざまな壁を乗り越えて、衝撃作は日本のスクリーンに映し出される。過去にも日本では映倫の審査に引っ掛かりシーンカットを余儀なくされた作品はあるが、果たして本作は日本でも話題集中&大ヒットとなるか? 注目したい。(編集部・小松芙未)
映画『SHAME -シェイム-』は2012年3月10日よりシネクイント、シネマスクエアとうきゅうほか全国順次公開