実写版『るろ剣』では「牙突」が見られる!江口洋介&香川照之のキャスティングは「真っ当な判断」と監督が明かす!
来年夏に公開される実写映画『るろうに剣心』でライバルキャラクターを演じている江口洋介と香川照之、そして大友啓史監督が取材に応え、キャスティングの理由や撮影の様子について語った。この二人を起用したことについて大友監督は「真っ当な判断だと思います」と明かすなど、人気マンガを映像化する上で江口と香川は決して欠くことのできない存在であるようだった。
主人公・緋村剣心を演じる佐藤健をはじめ、武井咲、蒼井優など若手の注目株がそろった本作のキャスト。そんな中で、彼らの前に立ちはだかるライバル役には、吉川晃司、江口洋介、香川照之という日本映画界を代表する面々が名を連ねている。年齢でいえば、吉川と香川は46歳、江口は43歳と、22歳の佐藤と17歳の武井とは二回りほども離れている。このようなキャスティングについて、大友監督は「二次元で出来上がっているイメージってすごい強敵なんですよ。二次元の世界でファンが積み重ねた重みって、やっぱり薄っぺらなものじゃ対抗できないんです。だから世代闘争というよりは、原作を映像化するときに忠実にするにはどうしたらいいかと考えたときの、真っ当な判断だと思います」と原作の影響力の大きさが理由になっていると明かすと、また、「力のある俳優部が魅力的に肉体化していくことで、佐藤演じる剣心が巨大な敵に立ち向かうっていうドラマツルギーの醍醐味(だいごみ)が生まれていくと思うんですよ。主人公のハードルは高いほうがいいと思うんですよね。ものすごく高くして、『つぶすぞ』っていう気分でキャスティングしています」とその本意を語った。
いくらキャスティングが豪華だからといって、ファンが第一に気にするのは、どれほど原作に忠実なキャラクターとなっているかだろう。その点で本作は、江口ふんする斉藤一が必殺技「牙突」を披露したり、香川ふんする武田観柳がガトリングガンを撃ったり、原作の勘どころをしっかり押さえている印象がある。とりわけ、江口は「牙突」について、「インパクトがあるんですよね。監督にとっても一つのハードルだったんじゃないかと思います」と角度などをいろいろと研究していた様子。これについては大友監督も、「牙突なんかも若造がやったら大変なことになると思う」と江口が演じたからこそ、実写化できたものであると強調していた。
一方で、観柳を演じる香川も、シークレットブーツを履くなどのビジュアル面はもちろん、キャラクターの内面に至るまで、役づくりを徹底。この日に行われた撮影では、台本にないせりふを連発していたが、香川いわく「そういう空気なんですよ。台本に書かれている気すらする」と演じているうちに自然と出てきたものなのだという。「龍馬伝」に続く大友監督とのタッグとなる香川は、そうした雰囲気をつくることのできる監督への称賛を惜しまず、監督が照れる一幕も。お返しとばかりに、今度は監督が「香川さんがいることでできる求心力が現場にはあると思うんです」とベタ褒めするなど、チームワークの良さをうかがわせていた。
先日には映像が初公開され、来夏公開にもかかわらず、早くも盛り上がっている本作。斉藤一や武田観柳といった原作でもなじみぶ深いキャラクターが登場するだけでなく、そういったライバルを江口や香川が演じることで、より実写化作品としての完成度が高くなると予想される。原作ファンも納得のクオリティーを期待したい。(編集部・福田麗)
映画『るろうに剣心』は2012年8月25日より全国公開