実写版『るろ剣』でのガトリングガン乱射シーンは大迫力!ただ、すでに予算をオーバーしていると香川照之が暴露!?
実写映画『るろうに剣心』の撮影現場取材が10月に行われ、原作マンガでも印象深かったガトリングガンを乱射するシーンが報道陣に公開された。制作に2か月かけたというガトリングガンの造形はもちろん、家具などの調度品の作り込みも素晴らしく、香川照之は「美術チームも頭がおかしくなっていて、無理な注文から聞いていく、みたいな」とその様子を評している。
10月6日に京都の太秦撮影所で行われた撮影には、主人公・剣心役の佐藤健ほか、左之助役の青木崇高、斉藤一役の江口洋介、武田観柳役の香川照之などが参加。この日は本作のクライマックスとなる観柳邸のアクションシーンの撮影であり、中でも注目されていたのは、メインの舞台となるダンスホールの中央に鎮座したガトリングガンだ。
制作期間2か月、費用にして280万円掛かったというガトリングガンはオリジナルデザインで、美術チームが誇る出来栄えだ。また、シャンデリアや花瓶、動物のはく製といった調度品もそろえられている。だが、これらは趣味を統一するのではなく、鳥取県・仁風閣で撮影したという外観とどこかちぐはぐな印象を与えるようにあえて調整。そうした外見と内面のギャップが、屋敷の主人である武田観柳の人間性を表しているなど、ディテールまでしっかり作り込まれているのが印象的だ。
実際に香川演じる観柳がガトリングガンを乱射するシーンでは、失敗が許されないだけにその場に居合わせたスタッフは全員、緊張した面持ち。うまく火薬が爆発しなかったときには気が緩んだのか、思わず笑みを漏らす場面も。秒数にしてみれば、1分足らずのシーンだったにもかかわらず、そのカットの準備には結果的に1時間以上かけていた。
そういった現場の雰囲気について、「龍馬伝」に続いて大友啓史監督とタッグを組む香川は、「(大友監督は)感性みたいなものが、正しいんですよね。それはなかなかお目にかかれないです、日本の監督では」とこれ以上ない褒め言葉を贈るほどだ。
「(本作ではすでに)予算を相当オーバーしているというのも聞いていますけれど」と暴露した香川だが、「そこで、『しょうがねえな』ってお金を出すバカがいるわけですよ。美術チームとかも頭がおかしくなっていて、無理な注文から聞いていくみたいなね。無理が無理を呼ぶという」と毒を含んだ独自の言い回しではあるものの、大友監督の手腕に対してはまったく疑いを持っていない。来春を予定しているという本作の完成を、香川や江口といった大物俳優も待ち遠しく思っている様子だった。(編集部・福田麗)
映画『るろうに剣心』は2012年8月25日より全国公開