日本人がキーファー・サザーランドと共演!次々とハリウッド大作に出演する尾崎英二郎が明かすハリウッドで通用するための秘訣
映画『硫黄島からの手紙』や海外ドラマ「HEROES/ヒーローズ」などに出演するなど、ハリウッドで活躍する日本人俳優・尾崎英二郎が帰国、ハリウッドで日本人俳優が通用するために必要なことを明かした。
全米で来年1月下旬に放送予定のキーファー・サザーランド主演のドラマ「タッチ(原題) / Touch」への出演も決定し、「台本の内容は秘密なので明かせないですが、日本人が物語にからむのはうれしい」と喜ぶ尾崎だが、ハリウッドにおける日本人俳優の現状について聞かれると真剣な表情に。
そして「向こうでは韓国系や中国系のアメリカ人に日本人役をとられてしまうことがよくある。彼らは英語力もあるし、堂々としたプロフェッショナリズムがあるからです」と語った。
謙虚で、一歩引いてしまうことの多い日本人はどこか不安そうに見られてしまう傾向があるようで、「彼らは大金をかけて作品を作るので、リスクを負いたくない。だからちょっと自信のなさそうな本物よりは、自信たっぷりな偽物を使ってしまう」と尾崎。そして、「日本人俳優は英語力、そしてメンタル面で勝負しないと責任のあるポジションは任されない」と付け加えた。
また尾崎は、日本人と海外俳優の芝居の質の違いにも言及。「セリフに抑揚をつけたり、見得を切るような大きな芝居よりは、自然な芝居を求められる傾向があります。僕らは日本のドラマで生まれ育っていますし、もちろん様式美の良さはありますが、そこの概念は思い切ってまっさらにしなくては」と語る。それを如実に感じたのはクリント・イーストウッド監督の現場だったそうで「彼は俳優にほとんど演出をつけずに、自由に泳がせてくれる。そんな彼が唯一言ったのが、ドラマチックに演技をするなということ。普段何も言わなかっただけに印象深かった」と述懐。
それだけに、「だからハリウッドで戦っていくためには、日本人俳優の底上げをしていかなければ。(優秀な俳優が)1人や2人活躍するだけでは少ない。こういう才能がいるんだと自分たちから見せていかないと。向こうも日本人のことを知らないですから」という尾崎の言葉には、熱がこもっていた。
尾崎は昨年に引き続き、アカデミー賞のWOWOW生中継番組にレポーターとして出演することが決定している。「レッドカーペットはいい意味で緊張感がないリラックスした空間。普段なかなか見られないことを間近にできたことは大きかった」と昨年は大きな刺激を受けた様子の尾崎。穏やかな語り口の中に垣間見える静かな闘志が、ハリウッドでのさらなる活躍を期待させた。(取材・文:壬生智裕)
尾崎が出演する番組「ハリウッド俳優 尾崎英二郎帰国記念 トークイベント 語ろう、海外ドラマ最前線。」は12月25日 16:30より「Ustream WOWOWウェブちゃんねる」で生配信
「ザ・プライムショー」はWOWOWプライムにて、毎週月曜~金曜の18:55から無料生放送