『男たちの挽歌』ファン必見! チョウ・ユンファはやっぱり銃&トレンチコートが一番!?
ジョン・キューザックやコン・リー、渡辺謙ら豪華共演の映画『シャンハイ』で、魔都・上海に君臨する中国人マフィアのボスを熱演したアジアの大物スター、チョウ・ユンファが、自身の出世作『男たちの挽歌』を彷彿(ほうふつ)させる銃さばきで観客を魅了した。
香港のラマ島の貧しい家庭に育ったチョウ・ユンファは、1973年に香港のテレビ局のタレント養成所に入る。やがてテレビドラマシリーズ「上海灘」で頭角を現し、1986年にはジョン・ウー監督による映画『男たちの挽歌』の大ヒットにより、彼自身も一介のテレビ俳優から、ギャラも扱いも格段上の、華やかな映画スターへの道を歩み始めた。
香港裏社会に生きる男たちの悲哀を、独自の世界観で描いた『男たちの挽歌』は、カンフーアクション、コメディーが大部分を占めていた香港映画界に新風を吹き込み、「香港ノワール」と呼ばれるジャンルを確立。スタイリッシュかつ激しい銃撃戦や、ド派手な爆破シーンでも注目を集め、香港だけでなくアジア各国で大ヒットを記録した。やがてアジア映画界の帝王と呼ばれたユンファも、1997年の香港返還などの事情もあり、アメリカ移住を宣言。
彼は1998年に『リプレイスメント・キラー』でハリウッド進出を果たした後、『アンナと王様』や『グリーン・デスティニー』、そして『パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド』などの大作にも出演し、世界的名声を手にした。そんなカリスマスターが『シャンハイ』という米中合作のサスペンス大作への出演を決めたのは、「何よりキャストが魅力的だったから」とのこと。さらに物語や人物に謎が多い点にも惹(ひ)かれたという。
本作の終盤でユンファは 『男たちの挽歌』のスタイルを引き継ぐかのように、ショットガンを手にトレンチコート姿で登場。正確な銃さばきで相手をなぎ倒し、体を張って愛する妻(コン・リー)を守る、ハードボイルドなタフガイぶりを発揮する。ここ一番という時に頼れる男、それこそがチョウ・ユンファなのだ。(文・平野敦子)
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