ソダーバーグ監督新作はトップ5圏外!『アンダーワールド』最新作がナンバーワンに! -1月23日版
全米ボックスオフィス考
シリーズ4作目、およそ3年ぶりとなった映画『アンダーワールド』シリーズの新作映画『アンダーワールド 覚醒』が2,531万ドル(約20億2,480万円)をたたき出して全米トップの座についた。シリーズ初の3D上映となったこの作品は、週末の総合収益59パーセントが3D上映から、そして15パーセントがIMAX上映からで、特別上映の入場料が大きく貢献する結果となった。配給の観客統計によると55パーセントが男性客、そして60パーセントが25歳以上だったという結果が出ている。(1ドル80円計算)
今週第2位は、ジョージ・ルーカスが私財を投じて完成させた映画『レッド・テイルズ(原題) / Red Tails』。 第2次世界大戦中、人種差別にも負けず大活躍したアメリカ軍の黒人戦闘機隊(タスキーギ・エアメン)のストーリーだ。黒人兵士たちを扱った映画ということでハリウッドから理解を得ることができず資金集めが難航。構想から完成までに20年かかったといわれているこの作品は、結果的に関係者たちの予想をも大きく上回る1,878万(約15億240万円)の収益をあげ、1億ドル(約80億円)までの旅路はまだ長いものの、ルーカスの努力が何とか実りそうな気配である。
第3位は、先週のトップから50.6パーセントも転落してしまった映画『コントラバンド(原題) / Contraband』で1,204万ドル(約9億6,320万円)。第4位は先週の第36位からランクインした話題作映画『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』で1,005万ドル(約8億400万円)。だが、上映館が先週の6館から2.630館に跳ね上がったことを考慮に入れれば、そこまでジャンプアップしたわけではなく、むしろスタジオにとっては残念な結果といってもいいかもしれない。そしてトップ5の最後を飾るのは、先週第2位から転落した映画『美女と野獣 ディズニーデジタル3D』。2週連続でトップに輝いた映画『ライオン・キング/ディズニー デジタル 3D』のようなパワーはなかったようだ。
今週驚きだったのがマイケル・ダグラス、マイケル・ファスベンダー、ユアン・マクレガー、アントニオ・バンデラス、チャニング・テイタムという豪華キャスト出演のスティーヴン・ソダーバーグ監督の本格アクション映画『ヘイワイヤー(原題) / Haywire』が初登場にもかかわらずトップ5に食い込めなかったことである。女優としては無名なジナ・カラノが主人公のアクションものというのが売りにならなかったのか、アメリカの映画ファンの批評サイト、シネマスコアでもD+と何とも辛い点数がついている。
次週はアカデミー賞候補発表後初めての週末となることから、ノミネーションの結果によっては圏外のアカデミー賞候補作品が浮上してくる可能性も十分にありえる。新作としては、最近ヒーロー的なキャラが多いリーアム・ニーソンの映画『ザ・グレイ(原題) / The Grey』がめぼしいところ。アラスカの油田で働く男たちの乗った小型機が雪山に墜落し、えさに飢えたオオカミたちに狙われるサバイバル・アクションである。この映画が上位に食い込むのはほぼ確実として、果たしてどんなアカデミー賞候補作品が浮上してくるだろうか。(文・ロス取材: 明美・トスト/Akemi Tosto)