山本太郎、収入は以前の10分の1に…反原発活動は「夢をかなえるため」
27日、俳優の山本太郎が、新宿バルト9で行われた出演映画『マイウェイ12,000キロの真実』のトークショーに出席し、反原発活動を続ける理由や自身の夢を明かし、現状については「(市民活動などで)以前に比べて20倍忙しいですが、役者の仕事はほとんどなく、収入は10分の1以下になりました」と告白した。
たとえ状況が厳しくても、山本が活動を続けるのは「いい役者」になるという自分の夢をかなえるため。「60代、70代からいい味が出せてブレイクできるのかなと思っているのですが、そのためには生きていかなければならない。そのために今、市民運動に参加しているんです」と山本は説明。
さらに原発問題に触れると、「(電力は)別の発電方法でもまかなえることははっきりしている。それでも続けることは、その利益にぶら下がっていきたい人たちのためではないか」と国の方針を批判し、「地震大国の日本で原発はリスクが大きすぎるし、こんなこと許されるわけがない」と強く訴えた。
そんな山本は、本作ではアクの強い野田“鬼”曹長を熱演。野田曹長が最後に語るセリフ「お母さん」には山本の強い思いが込められているそうで、「エゴのかたまりみたいな人間でも、自分の故郷に残してきた母親を心配することで、少しでも野田の人間味がわかってくるのではないかと思いました」と自身のアイデアを生かしたセリフだったことを明かしていた。
本作は第2次世界大戦末期に、日本・ソ連・ドイツの軍服を着て戦うことになった東洋人の、アジアからノルマンディーまでの1万2,000キロに及ぶ戦いを生き抜いた実話を基に、東洋人の壮絶な人生を描く感動作。野田曹長を演じた山本太郎の怪演にも注目だ。(取材・文:中村好伸)
映画『マイウェイ12,000キロの真実』は公開中