『キツツキと雨』沖田修一監督、小栗旬の演じた監督像に「自分だと思ってもらってかまいません」
30日、千代田区の有楽町電気ビル 北館の日本外国特派員協会にて、映画『キツツキと雨』記者会見が行われ、沖田修一監督と、出演者の古館寛治が登壇、本作についての思いを語った。
第8回ドバイ国際映画祭で最優秀男優賞などを獲得し、第24回東京国際映画祭の審査員特別賞を受賞するなど、注目が集まる本作。この日の会見は、自主制作時代から沖田監督と現場を一緒にしてきたという古館も登場し、「役所さんでも小栗旬さんでもなく、自分が出演で、本当にガッカリされていると思います」と冗談を交えたあいさつでのっけから笑いを誘うなど、和やかな雰囲気の中スタートした。
本作について沖田監督は、「岐阜と長野で撮りました。地元の方々にとにかく助けられながら撮った映画です」とまずはコメント。地方でのロケでは、そんな地元の人々が、出演者として撮影に参加することがあったという。沖田監督は「いい年した大人たちが、寄ってたかって作り話をみんなで作っているのがほほ笑ましくて」とうれしそう。
また劇中には、小栗旬ふんする新人映画監督が登場するが、「こんな映画監督はいないだろうというのを作っていたつもりだったのに、やっぱり役の方が自分に寄って来た。自分の体験を基に描かねばならない部分もあった。あの監督像は自分だと思ってもらってかまいません」と話した。
この日は、沖田、古館共に常に笑顔で温厚な雰囲気で進行。プレスからの質問に対しても優しい受け答えが多かった。すると古館が「監督の映画は良い人ばっかり出てくる。そんな映画は普通面白くないのに面白い。監督のすごいところだと思う」とコメント。その発言や、沖田監督の雰囲気から、作品の不思議な魅力の源がどこにあるかを垣間見せた。(取材・文 名鹿祥史)
映画『キツツキと雨』は2月11日より、角川シネマ有楽町ほか全国公開