ジョージ・クルーニーに負けない存在感!18歳美少女、アカデミー賞最有力候補『ファミリー・ツリー』での撮影秘話
今年のゴールデン・グローブ賞で最優秀映画作品賞(ドラマ部門)を受賞し、アカデミー賞にも作品賞を含めた5部門でノミネーとされている注目の作品『ファミリー・ツリー』について、ジョージ・クルーニーの長女役を演じたシェイリーン・ウッドリーが語った。
同作は、ハワイで敏腕弁護士として活躍するマット(ジョージ・クルーニー)は、ボートで事故で昏睡状態に陥った妻が不倫していたことを知り、反抗期の長女(シェイリーン・ウッドリー)と次女(アマラ・ミラー)を連れて妻の不倫相手を探すためにカウアイ島を訪れるが、そこには予想外の展開が待ち受けていたというドラマ作品。女流作家カウイ・ハート・ヘミングスの同名小説を映画化している。監督は映画『アバウト・シュミット』『サイドウェイ』のアレクサンダー・ペインがメガホンを取っている。
ハワイでの撮影について「全く天候の予知ができないことに驚いたわ。雲一つなかった天気から突如雨が降ることもあったわ。ハイキングもできたし、ヘアープロダクトに使われているような薬草もあるほど自然に囲まれていたの。撮影当時、わたしは18歳だったけれど、これからの人生を生きていく上で重要なことを学んだと思っているわ。ハワイで5か月撮影して、わたしたち人間が自然の一部であるということに、精神的にも人間的にも目覚めさせられたの」とハワイでの体験が貴重だったことを明かした。
父親を演じたジョージ・クルーニーとの共演については「ジョージと共演する前には、彼についていろいろな記事を読んだの。彼の素晴らしいところが書かれていた記事は、実際に彼に会ってみて本当だと思ったけれど、ネガティブなことが書かれていた記事は、個人的におかしいと思ったわ! なぜなら、ジョージには嫌なところが全くなかったから」と尊敬できる人物だと語った。一方、アレクサンダー・ペイン監督についても「心地良い気持ちで演技ができるような環境を作ってくれたわ。スタッフの誰もがアーティストとしてかかわり、アート作品を作っていく感じで、ロバート・フォスターやボー・ブリッジズたちと共演しても、彼のおかげで緊張感を感じなかったくらい」と述べた。さらに彼女は、アレクサンダーが毎日30分くらい休憩時間に昼寝していて、そういった落ち着いた彼の姿勢が、人生の鍵だとも思ったらしい。
18歳のときに、このようなアカデミー賞作品賞最有力候補の映画に出演してしまうと、その後に出演する映画の選択が難しいのではないかとの質問には、「人から褒めてもらうことは、わたしにとってどこか不思議で、あまり上手く受け入れられないわ。それに、この映画の評価で、人から『あなたの次の作品を楽しみしているわ!』とか言われてしまうと、考えられないようなプレッシャーに襲われるの! けれど、そういうプレッシャーを感じるのも、自分がそういう期待されるレベルになったと、それ自体に喜びを感じるべきだと思う。ただ、今のところは女優業に情熱を燃やしているけれど、将来は人と自然の環境にかかわった仕事にも携わっていきたいわ」と視野を広く持った女性でもありたいとも語った。
インタビューを通して、彼女のリアクションの多くには十代のあどけなさを感じたが、言葉の節々には大人の階段を駆け上っていこうとする意欲を感じた。映画は、崩壊の危機に直面した家族が、再生していく過程を描いた秀作に仕上がっている。 (取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)