アカデミー会員の多くが属する全米監督組合、DGA賞は『アーティスト』のミシェル・アザナヴィシウス監督が受賞!
28日(現地時間)にロサンゼルスのハリウッド・ハイランドのグランド・ボールルームにて行われた第64回全米監督組合賞(DGA賞)で、映画『アーティスト』のミシェル・アザナヴィシウス監督が最優秀監督賞を受賞した。
『アーティスト』は、サイレントからトーキーへと移り変わるころのハリウッドを舞台に、美しいモノクロ映像でつづるサイレント映画。フランス人のアザナヴィシウス監督が、サイレントの傑作の数々へのオマージュを捧げつつ、芸術家(アーティスト)であることに誇りをもち、時代の変化の波に乗れずに凋落(ちょうらく)するスター俳優の葛藤(かっとう)と愛を描く。
アカデミー会員の多くが属するDGAことThe Directors Guild of America(全米監督組合)で監督賞を受賞することは、アカデミー賞の結果に結びつくことが多い。過去のアカデミー賞監督賞と一致しなかったのは、『オリバー!』のキャロル・リード監督、『キャバレー』のボブ・フォッシー監督、『愛と哀しみの果て』のシドニー・ポラック監督、『ブレイブハート』のメル・ギブソン監督、『トラフィック』のスティーヴン・ソダーバーグ監督、『戦場のピアニスト』ロマン・ポランスキー監督という、わずか6作のみ。これでアザナヴィシウス監督はオスカーレースを一歩リードしたと言えるだろう。(南 樹里)
そのほかの結果は下記のとおり。
[映画部門]
長編映画監督賞 ミシェル・アザナヴィシウス監督『アーティスト』
ドキュメンタリー映画監督賞 ジェームズ・マーシュ 『プロジェクト・ニム(原題)/ Project Nim』
[テレビ部門]
子供番組監督賞 エイミー・シャッツ「ア・チャイルズ・ガーデン・オブ・ポエトリー(原題)/ A Child’s Garden of Poetry」
コメディシリーズ監督賞 ロバート・B・ウィード「ラリーのミッドライフ★クライシス」
コマーシャル監督賞 ノーム・ムーロ「ハイネケン・プレミアム・ライト」
デイタイムシリアル監督賞 ウィリアム・ルーデル「ジェネラル・ホスピタル(原題)/ General Hospital」
ドラマシリーズ監督賞 パティ・ジェンキンズ「THE KILLING ~闇に眠る美少女」パイロット版
ミュージカルバラエティ監督賞 グレン・ワイス「第65回トニー賞授賞式」
リアリティ番組監督賞 ニール・デグルート「ビッゲスト・ルーザー(原題)/ Biggest Loser」
テレビ映画ミニシリーズ監督賞ジョン・カサー「ケネディ家の人びと」
名誉終身会員賞 エド・シェリン
フランク・キャプラ功労賞 ケイティ・ギャレットソン
フランクリン・J・シャフナー功労賞 デニス・マゾッコ