大ヒット『ヒミズ』の壮絶で異様な撮影現場を楽しそうに語る園子温監督と染谷将太はペアルックで登場!
16日、映画『ヒミズ』の大ヒット御礼舞台あいさつが新宿バルト9で行われ、主演の染谷将太と園子温監督が出席、観客とのティーチ・インで本作に込めたこだわりを明かした。
観客から、意味深いラストシーンなど心に深く何かを投げかける作品になっていると伝えられると、園監督は「感覚的に撮るシーンが多かった。現場は徹夜も多く壮絶な毎日だったので、ライブステージにオールナイトで立っているような気持ち。クライマックスもリアルタイムで一晩ぶっとおしで撮影して、異様な撮影現場だった」と述懐。
また、本作で二階堂ふみと共に第68回ベネチア国際映画祭の新人俳優賞を受賞した染谷は、そんな現場がエキサイティングだったと語り、「園さんはワンシーンを頭から最後までぶっ通しで撮るんです。泥を掘るシーンでも、これ以上掘れなくらいまで掘って、カットがかかったときには泥を大量に飲み込んでいた」と振り返る。さらに「絵の具を(自分の)顔に塗るシーンでは、面白いなとノリノリでやっていて、絵の具を舌の上に乗せようと思った。まずかったですけどね」と撮影中のエピソードを明かして含み笑い。
そこで園監督が「あれは面白いと思った」と染谷の即興を手放しで絶賛すると、染谷も「ほかの現場では、(監督に対して)何でカットかけちゃったのかと思うことがあるけど、園監督の現場ではそれはなかったです」と伸び伸びと演技ができた様子。この日の2人は、同じプリントが施されたTシャツ姿で登場し、ハードな撮影を通してはぐくんだ、きずなの深さをうかがわせた。
本作は『恋の罪』などの鬼才・園子温監督による、古谷実原作の人気漫画の映画化。ごく平凡な15歳の少年・住田(染谷将太)と少女・茶沢(二階堂ふみ)の運命が、ある事件をきっかけに激変する過程を、園監督ならではの手法で描き出す。(取材・文:中村好伸)
映画『ヒミズ』は全国公開中