被曝の現実、60日間に密着…『フクシマ2011~被曝に晒された人々の記録』公開決定
東日本大震災がもたらした原発事故の影響で被曝にさらされる苦境を強いられた人々の現実を映し出すドキュメンタリー映画『フクシマ2011~被曝に晒された人々の記録』が3月に劇場公開されることが決まった。ナレーションは俳優・仲代達矢が務めている。
未曾有の大震災から間もなく1年を迎えるが、福島第一原発の事故が復興の足かせとなり大きな進展が見られない現状において、被災地での苦労は計り知れない。本作は昨年の5月から福島県南相馬市、飯舘村を中心に約60日間取材を敢行し、被曝にさらされた人々の真の姿をとらえた貴重な記録映画となっている。
映画『二重被爆』『二重被爆~語り部・山口彊の遺言』を手掛けた稲塚秀孝が本作のメガホンを取っているのだが、「広島と長崎で二度被爆した、故 山口彊さんは、『人間の世界に核はいらない』と言い残した」と語り、この遺言がきっかけで取材を始めたと明かす。また「心からの叫びを、映画をご覧の皆さんに受け止めてもらいたい。そして私たちはこれから何をすべきか? を考えて欲しい、と願う」と本作に込めた思いをメッセージとして送った。
オフィシャルサイトで公開されている特報映像では、仲代達矢の声に乗って2011年3月11日以降の被災地の様子が伝えられ、現地の人が語る状況や秘めた思いがあふれだしている。経験した者にしかわからない過酷な現実がそこにはあり、目をそらすことはできない。五感で感じることができない恐怖・放射能と向き合い、乗り越えようとする人々の姿を胸に焼き付けてほしい。(編集部・小松芙未)
映画『フクシマ2011~被曝に晒された人々の記録』は3月17日よりヒューマントラストシネマ渋谷、銀座シネパトスにて公開