サッチャー元首相を演じたメリル・ストリープ、野田首相へのアドバイスを求められ「演技のアドバイスなら」
7日、映画『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』の来日記者会見が行われ、本作で第84回アカデミー賞主演女優賞を受賞した主演のメリル・ストリープがフィリダ・ロイド監督と共に出席し、ユーモアとウイットに富んだ受け答えで記者たちを魅了した。
本作は、イギリス史上初の女性首相として活躍し、“鉄の女”と称されたマーガレット・サッチャーをメリルが演じた人間ドラマ。認知症のサッチャーが、過去を振り返る形で展開する本作で、メリルは、首相になる前の初々しい姿から、首相として働く姿、そしてかつて活躍していた姿からは想像もできない現在の姿まで、大きく変化を遂げていくさまを見事に演じ切った。
この日登場したメリルは、今回の役づくりについて「彼女は存命の人物で、演じるのには非常に責任が伴いました。実在の人物を演じるときには、正確で、真実に近い像を作っていくことが重要。また、彼女が政治家として、一人の人間として生きる姿に、観る側が自分を重ね合わせることができるような演じ方をしたかった」とこだわった点を振り返った。
また、メリルは記者から「今作で“鉄の女”を演じたメリルさんから、(東日本大震災の)復興に取り組む日本の野田首相にアドバイスを」という質問を受ける場面があり、メリルは笑いながら「演技のアドバイスだったらお答えできるけど」と切り返した。そのほか、自身がサッチャー首相のメイクアップをした撮影当時を振り返った際「老年期のサッチャーの姿をしたとき、(自分の)父とマーガレット・サッチャーのミックスがいるような感じがした」と語り、記者たちを笑わせていた。
そして最後にメリルは、ロイド監督とヒット祈願の鏡開きを行い、樽に指を入れてお酒の味見をするなど大はしゃぎ。終始気取らないフレンドリーな態度でマスコミ陣を魅了していた。(古河優)
映画『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』は3月16日よりTOHOシネマズ 日劇ほか全国公開