高良健吾、ドストエフスキーの名作文学「罪と罰」現代日本版の実写ドラマで罪を犯す主人公に!
「人はなぜ人を殺してはならないのか」そんなテーマに挑んだドストエフスキーの名作文学「罪と罰」を、現代の日本に置き換えて描いた漫画「罪と罰」が、4月よりWOWOW連続ドラマWにてドラマ化される。主演を務める俳優の高良健吾が、罪を犯した主人公への愛憎に似た思いを語った。
自尊心と劣等感の間でもがきながら、引きこもり生活を送る主人公の裁弥勒(たち みろく)は、援交グループを支配する女子高生・馬場光の殺害を計画。ついに行動を起こすが、思いも寄らぬ結果に苦しめられることとなる。歴史的名作を見事に現代社会と融合させた本作は、重厚な哲学的テーマを持ちつつ、一級のサスペンスとしても見応えのある作品になっている。
「好きか嫌いかと言ったら、嫌い」と弥勒というキャラクターについて語る高良。しかし、撮影を通じてそれ以上の感情が芽生えたことを明かし「好きとか嫌いとかいう問題ではなくなっています。同情とは違うけど、抱きしめたくなるような感情が弥勒に対してあります」と言い知れない感情を吐露(とろ)した。
劇中、罪の意識にさいなまれ続けた弥勒は、クライマックスである決断をする。希望にも絶望にも取れるその決断を、どうとらえたのだろうか? その質問に高良は、「僕はただ弥勒として芝居をしただけ」ときっぱり。そして「『ふざけるな、人殺し』と思う人がいても、『弥勒はちゃんと気付けたんだ』と思う人がいても構わない。観た方が弥勒を裁いてくれればいい」と神妙に語った。
「観ることで元気になったり、勇気をもらったりできる作品ではないけど、何かしら感じるものがあると思う。それは負かもしれないし、教訓かもしれない」と高良は淡々と口にする。苦悩する弥勒が宿り続けているかのように、ほとんど笑顔を見せずに話し続けた高良は、「作品への賛否両論はガンガン起こっていい。ただ数年、数十年後にも、『すごいドラマがあったな』と思われる作品になったらうれしいですね」と多くの人からの「裁き」を願うように語った。(肥沼和之)
WOWOW連続ドラマW「罪と罰 A Falsified Romance」は4月29日より毎週日曜日放送(全6話) 第1話無料放送