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エイドリアン・ブロディを直撃!『アメリカン・ヒストリーX』のトニー・ケイ監督とのタッグと学校教育を描いた秀作について語る

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エイドリアン・ブロディ
エイドリアン・ブロディ

 映画『戦場のピアニスト』で史上最年少のアカデミー主演男優賞を受賞したエイドリアン・ブロディだが、その後は極力独立系作品に参加してきていた。そんなこだわりのある彼が、再び独立系作品に挑戦した新作『デタッチメント(原題) / Detachment』について語った。

エイドリアン・ブロディ出演映画『ミッドナイト・イン・パリ』写真ギャラリー

 同作は、過去に精神的トラウマを受けた臨時教師のヘンリーは、ある日公立高校に赴任することになるが、その学校は教師を無視するほど自由気ままに学校生活を送っている生徒ばかりだった。だがヘンリーは、問題を抱える生徒たちを通して、自分自身のふさぎ込んだ内面を見つめ直し、生徒たちの態度も変えていくというドラマ作品。共演者は、マーシャ・ゲイ・ハーデンジェームズ・カーンクリスティナ・ヘンドリックスが脇を固め、監督は映画『アメリカン・ヒストリーX』のトニー・ケイがメガホンを取っている。

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 トニー・ケイ監督というのは、脚本を忠実に描くのではなく、即興をさせることで有名な監督で、そのためエイドリアンは「この役柄を通して、自分の俳優としての見解を教師役として即興的な台詞で含めることができる良い機会になった」と語り、さらに独立系映画を選択することについては「常に僕の心に話しかけてくるような、そんな観客とも共有できる題材を探している。それは、エンターテインメントとしての価値だけではなく、僕自身がずっと興味深い俳優として居るためにも重要なことなんだ。そのため、社会に即した題材を常に選んでいるよ」と答えた。

 エイドリアンの父親は、公立の学校で教師をしていたらしい。「父親が公立学校で教師をして、僕も公立の学校に通っていた。だから教育上での落とし穴や、決して華やかな職業ではないが、先生たちが自分たちの人生を捧げて、(我々生徒を)寛大に教育してくれたことは、しっかりわかっているんだ。僕の父親は生徒に優しく寛大で、僕に対してもそうだった。だから、僕の成功のほとんどは、彼の教育によるものだと思っているんだ」と語り、そんな尊敬する父親の影響がこの映画に反映されているのか「ある意味、この映画は父親に捧げたものだと思っている。もちろん、父親は僕が演じたヘンリーとは全く違う人物だけれどね(笑)。父親はすごく貧しい家庭から学校に通い、意味のある仕事に就いた。そんな彼の忍耐力は素晴らしいと思うし、このヘンリーにも少し反映されている」と明かした。

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 トニー・ケイ監督とのタッグについて「トニー監督は、すごく自然でクリエイティブな人物だよ。それに彼の自由で正直なところ、自分の言いたいことがわかっているところも好きだね。彼の演出のアプローチは特別で、常に限界に挑戦しようとしていて、僕たち俳優にも限界のリアクションを要求してくるんだ。例えば、映画内には僕のキャラクター、ヘンリーの祖父の世話がしっかり病院で行われていなかったために、病院でキレるシーンがあるが、僕は映画内である程度の怒りを示した演技をしていたが、トニー監督は僕に限界の演技を挑戦させ、最終的にあのように叫んでしまうシーンになったんだ……(笑)。だが、そんな予知できないキャラクターだからこそ、面白いとも思っている」と素晴らしいコラボであったことを話してくれた。

 映画は、学校教育が抱える問題を浮き彫りにしただけでなく、繊細な生徒たちの心理が映し出されていて、それらを通して教育の重要性を再認識させられる映画になっている。 (取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)

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