チャールズ・ディケンズの作品を映画にした最古のフィルムが、BFIで発見される
「オリバー・ツイスト」や「二都物語」で知られるイギリスを代表する作家チャールズ・ディケンズの作品を映画にした1901年の作品が、BFI(英国映画協会)の公文書保管人によって発見された。ディケンズの作品を基に作られた映画としては最古のものとなる。
チャールズ・ディケンズ原作、ロマン・ポランスキー監督、製作『オリバー・ツイスト』写真ギャラリー
ガーディアン紙(電子版)によれば、BFIの公文書保管人のブリオニー・ディクソンさんが、中国の初期のリサーチをしていた際、『ザ・デス・オブ・プア・ジョー(原題) / The Death of Poor Joe』というタイトルの作品を発見し、すぐさまディケンズの著書「荒涼館 / Bleak House」の登場人物の名前を思い出したそうだ。
監督は、イギリス映画界のパイオニア、ジョージ・アルバート・スミス。1897年を皮切りに、120本以上の短編作品を生み出した。今回発見されたのは、貧しい街の掃除人ジョーが、凍てつく冬の日、瀕死の状態で倒れ込んだところを夜警が駆けつけて手を差し伸べるも、時すでに遅し、逝ってしまったジョーの冥福を祈るという、1分ばかりの映画で、すでにYoutubeでも映像を観ることができる。
偶然にも、今年はディケンズの生誕200年にあたる年で、ディクソンさんは、「記念すべき年に、これほど希少でユニークな作品が発見されるなんて素晴らしいこと」とコメントしている。(鯨岡孝子)