オレンジのキャラクターがボックスオフィスを席巻!2週連続で『ロラックス』が首位に君臨! -3月12日版
全米ボックスオフィス考
今週全米映画ランキングでトップを飾ったのは、オレンジ色の不思議なキャラが大人気の映画『ロラックス(仮題)』。先週から44.7パーセントの収益減だったものの3,885万ドル(約31億800万円)を記録して堂々の第1位を獲得した。一方『ロラックス(仮題)』と明暗を分けたのは、ディズニー新作で実写ファンタジー大作映画『ジョン・カーター』である。製作費はおよそ2億5,000万ドル(約200億円)で、3D・IMAX上映館を含む3,749館で封切られた同作の週末興収は3,018万ドル(約24億1,440万円)という、大型の公開規模にしては2位という残念な結果となってしまった。(1ドル80円計算)
ただし『ジョン・カーター』のこれからの動きに注目したい。本作は決して悪い作品ではなく上質な娯楽映画である。ディズニーがPR戦略を変え別のアプローチで観客獲得を図り、また映画ファンたちの間で「一見の価値あり」という口コミが広がれば、ボックスオフィスでトップへの巻き返しを図ることも不可能ではないはずだ。何といってもジョージ・ルーカスやジェームズ・キャメロンがお手本とした古典SF冒険小説の映画化。このまま映画館のスクリーンで観ることもなく終わらせてしまうにはもったいない作品だ。
第3位は、1,114万ドル(約8億9,120万円)で映画『プロジェクトX(原題) / Project X』、封切り後10日時点で3,972万ドル(約31億7,760万円)の総合収益となっており、この手の発見された映像を基にした一連のジャンルにしてみればまずまずの奮闘ぶりといえる。第4位は、ワンランクダウンの映画『アクト・オブ・バラー(原題) / Act of Valor』で興収699万ドル(約5億5,920万円)。この作品も1,200万ドル(約9億6,000万円)という低予算の作品にしては現在までの収益は5,610万ドル(約44億8,800万円)とかなりの健闘ぶりを見せた。トップ5最後は、初登場のホラー映画『サイレント・ハウス(原題) / Silent House』で666万ドル(約5億3,280万円)となっている。
今週初公開されたエディ・マーフィの新作映画『ア・サウザンド・ワーズ(原題) / A Thousand Words』は618万ドル(約4億9,440万円)の興収でトップ5に入ることも出来ず第6位に甘んじ、近年公開されたエディのダメコレクションを増やす結果となってしまった。果たしてエディは過去の栄光を取り戻すことができるのであろうか。
次回のランキング予想だが週末公開される大型リリース作品は1本。1980年代にアメリカで人気を博したテレビ番組で、ジョニー・デップが人気者となるきっかけとなった「21ジャンプ・ストリート」のリメイク映画化作品だ。新作はジョニーに代わり、チャニング・テイタムとジョナ・ヒルが主演。ダメ刑事2人組がハイスクールにはびこる麻薬取引の元を探るべく高校生に成り済まして問題のハイスクールに潜入することから始まるコミカルなアクション・サスペンスである。
映画『21ジャンプ・ストリート(原題) / 21 Jump Street』は、大型リリースといっても大作にはほど遠く、トップを狙うにはやや力不足ではないかという感じもある。しかし数週間前の大ヒット映画『君への誓い』をはじめ、チャニングの人気が上昇中なだけに、それがどうランキングに影響してくるか興味深い。(文・ロス取材:明美・トスト/Akemi Tosto)