ジョージ・オーウェルの名作小説「1984」のリメイクプロジェクトが始動!ロン・ハワードとブライアン・グレイザーのイマジン・エンターテインメントが製作
ジョージ・オーウェルの小説「1984」といえば反ユートピア作品そしてまた、21世紀になった今でも近未来小説の名作である。これまで二度映画化されているが有名なのは、1984年のジョン・ハート主演、映画『ヴェニスの商人』のマイケル・ラドフォード監督の作品であろう。
今回その「1984」のリメイクプロジェクトが、映画『ダ・ヴィンチ・コード』のロン・ハワードと長年のパートナーのブライアン・グレイザー率いるイマジン・エンターテインメントの手によってスタートした。
内容は1984年、スターリン体制下のソ連を連想させる全体主義国家によって分割統治された未来世界を描いたもので、国はリーダー的存在であるビッグ・ブラザーのもとに全体主義を敷き、国民への情報操作の実施、警察の厳重な取り締まりの下、個人の自由の制限がなされている世界を描いている。
原作者のジョージ・オーウェルがナチス台頭と第二次世界大戦の終戦、ソビエト連邦による社会主義共和国圏の誕生で社会主義体制が実際に始まったとき、その内側に生じる非人間的な側面に対して世界に警告を発したかったものと考えられている。
Hollywood Reporterによると、まだプロジェクトは初期段階にあり監督もキャストも決まっていないが、プロジェクトにストリート・アーティストのシェパード・フェアリーを加えているのが注目に値するとのこと。というのも、この人物、前回のアメリカ大統領選のときにバラック・オバマ氏支持の「HOPE」(希望)というポスターの製作者で、「HOPE」という文字の上にオバマ氏を赤・白・青などの色彩で描いたこのデザインは選挙期間中、象徴的なデザインとして多用されたのだ。「1984」の中にもWAR IS PEACE(戦争は平和である)、FREEDOM IS SLAVERY(自由は屈従である)、IGNORANCE IS STRENGTH(無知は力である)など様々なスローガンが登場する。シェパード・フェアリーがそれらのポスターを描くことは想像に難くない。
これは楽しみな映画になりそうだ。(後藤ゆかり)