よしもと芸人、東日本大震災被災地への支援続行を宣言「われわれは人を笑わせることしかできない」
24日、沖縄県で開催中の第4回沖縄国際映画祭で、東日本大震災の被災地で活動した芸人たちを追ったドキュメンタリー映画『お笑い芸人と東日本大震災 ~よしもとあおぞら花月~』の上映が行われ、笑福亭仁鶴、西川きよし、中田ボタン、中田カウス、なだぎ武、ワッキー(ペナルティ)、トータルテンボス、そして宮城県出身の尾形貴弘含むパンサー、阿部智則(POISON GIRL BAND)ら本作出演芸人たちが登壇、被災地への支援続行を誓った。
震災後の自粛ムードの中、お笑い芸人としてできることは何なのか。悲しみにうちひしがれている人たちの前で笑わせることは不謹慎ではないのか。芸人たちはそれぞれに葛藤(かっとう)を抱えていたというが、トータルテンボスの藤田憲右は「行くだけで不謹慎。行かないのも不謹慎。どっちみち不謹慎だと言われるなら、行った方がいい」と当時の決意を振り返る。実際に行ってみると「逆に勇気と元気をもらった。われわれは人を笑わせることしかできないので、行ってよかったなと思った」と語った。
ワッキーも今回の活動で「久しぶりにやった芝刈り機のネタがウケてうれしかった」と手応えをつかんだというが、帰りの電車内でふと「僕らがいなくなった後は、どんな感じなのかな。日々、現実と向き合わなければいけないんだろうな」と感じたという。しかしだからこそ、「笑ってるときって、少しは幸せを実感できると思うんです。ですから、ほんのひとときでも笑ってもらえること」が芸人としてやるべき支援だと再確認したという。
その言葉には、この日出席していた中田カウスも激しく同意。「一瞬でも悲しみを忘れてもらったらとよけいそう思いますね。これからがわれわれの出番。これからも(笑いで支援活動を)続ける、ということです」と強い決意を語った。
東日本大震災後に吉本興業が展開している支援活動「あおぞら花月」は、これまで177組の芸人たちが参加。105か所の被災地を巡り、笑いを届けてきた。本作はその活動に密着したドキュメンタリー作品となっている。(新井寿美男)
「第4回沖縄国際映画祭」は3月31日まで沖縄コンベンションセンターほかにて開催