ミュージカル界のプリンス・井上芳雄が映画挑戦について語ること!「いい感じの無責任さがある」
「エリザベート」などで知られるミュージカル界のプリンス・井上芳雄が、久々に出演する映画『宇宙兄弟』や舞台と映像の違いについて語った。映画作品は今回が4作目になる井上は、出演にあたって「映像ではあまり役づくりをした覚えがないんですね」と意外なことを明かしている。
井上といえば、「エリザベート」でデビューした後、「モーツァルト!」「ハムレット」といったミュージカル作品で主役を務めている若手スター俳優。その華やかさから時に「ミュージカル界のプリンス」と称されることもある井上だが、映像の仕事に関しては「周りの顔ぶれも違うし、自分のことを知っている人もほとんどいない」と舞台のときとまったく違うことが逆にやる気をかき立てるのだという。
「基本的に映画だと現代劇だし演じるのは日本人ですけど、舞台だと日本人じゃないし、基本的に過去の物語ですからね。映像は今の自分と近いキャラクターをやれる分、うそっていうか、わざとらしいのはすぐばれてしまうので」と語った井上は、本作の森義隆監督からも「あんまり芝居をしないでほしい」と演出されたそう。だが、舞台に慣れた井上には「何もしない」ことが逆に難しく、何度もテイクを重ねたこともあったと明かしている。
それでも完成した作品を観たときは、「(自分が)ケンジに見えるなと思いました」と納得。撮影を通して、改めて映画は監督のものであると痛感したといい、「監督の望む絵に少しでも近づくっていうのが映画の俳優の仕事なんだと思いました」と発見があった様子。小栗旬をはじめとする共演者やスタッフが映画愛にあふれた人だったことも楽しかったといい、「こういう刺激になることは今後もしていきたいですね」と語った。
そんな井上は、本作について不安はないと明かす。「ちょっとずるいかもしれないですけど、逆に言えば、ホームグラウンドじゃないし、撮影時にやれることはやったので……全然よくなかったといわれても『そうか』と思うだろうし、すごくよかったといわれても、『そっか』と思うんでしょうね。映像っていつもそんな気がします。自分をまだ客観的に見られていないのかもしれません。いい感じの無責任さがあるんです」という言葉とは裏腹に、その口ぶりからは本作への確かな手応えがうかがえた。(編集部・福田麗)
映画『宇宙兄弟』は5月5日より全国公開