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「シンナーを吸っていた仲間と作った映画…」に観客ドン引き 世界的評価の高い『サウダーヂ』富田克也監督衝撃発言

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「クズです……」過去の自分を表現する富田克也監督
「クズです……」過去の自分を表現する富田克也監督 - Photo:Harumi Nakayama

 仏・ナント三大陸映画祭で最高賞を受賞した富田克也監督『サウダーヂ』が初夏、フランス公開されることがわかった。富田監督が参加している第13回全州(チョンジュ)国際映画祭で明かしたもの。

映画『サウダーヂ』場面写真

 同作品は富田監督の故郷・山梨県甲府市を舞台に、地方都市で暮らす若者たちの閉塞感をリアルに描いた167分の力作だ。地元で募った製作協力金と借金で製作した自主映画ながら毎日映画コンクールで日本映画優秀賞と監督賞をW受賞するなど国内外で高い評価を受け、富田監督の注目度もアップ。今回の全州国際映画祭でもデビュー作『雲の上』(2003年製作)と『国道20号線』(2007年製作)、『サウダーヂ』の3作品が上映されるという富田克也スペシャルプログラムが組まれている。

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 現地入りした富田監督は「『雲の上』なんて今回がインターナショナル・プレミア上映ですよ(笑)。こうして3作品を通して観ていただければ、未熟だった演出が、普段の付き合いから生まれた俳優たちとのチームワークもあって、そこにあるモノを一番自然な形で撮ろうと変化していったことを観ていただけると思う」と胸を張った。

 『サウダーヂ』の上映が行われた2日にはトークイベントが開催され、興奮冷めやらぬ観客たちから寄せられる熱い感想や質問が止まらず約1時間40分も続いた。中にはソウルで映画の勉強をしているという女子学生から「日本の文化はよくわからないが、若い人たちがどういう考えを持っているのかがわかった。何より、『サウダーヂ』で描かれている不況や移民労働者の問題は近い将来、韓国でも起こりうるかもしれない。自分たちの事のように感じながら映画を観ました」という意見もあった。

 さらに3作品すべて観賞したという女性からは「映画を観ながら富田監督はどういう人なのか興味を抱いた。この40年間、どんな人生を送って来たのか教えてほしい」という質問も飛び出した。しかし富田監督が「一言で言うとクズですね。『国道20号線』では登場人物がシンナーを吸ってますけど、きょうここにいるメンバーが一緒に吸っていた仲間です」と同席していた共同脚本家・相澤虎之助らを指差すと、観客は軽くドン引き。すかさず相澤が「こういう人間でも頑張って映画を作り、自分たちの言いたいことを正直に作品に込めれば、こうして皆さんと会うことができるようになります。自主映画を作っている人はぜひ正直な作品を作って下さい。僕等も頑張ります」とフォローすると、映画作りで更生した監督たちを讃えるかのように会場から温かい拍手が起こっていた。(取材・文:中山治美)

映画『サウダーヂ』は5月5日から金沢・シネモンドと広島・サロンシネマで、5月8日から札幌・蠍座で公開される。

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