榮倉奈々、二つの映画で主演女優賞に「夢のよう」西島秀俊も登場の授賞式チケットは1分で完売!
26日、テアトル新宿で「第21回日本映画プロフェッショナル大賞」授賞式が行われ、主演男優賞を『CUT』の西島秀俊が、主演女優賞を『東京公園』『アントキノイノチ』の榮倉奈々が受賞した。
「日本映画プロフェッショナル大賞」は映画ジャーナリストの大高宏雄氏が個人で主宰する映画賞。秀作でありながら、さまざまな理由によって過小評価されてしまった作品に再びスポットを当てようという趣旨で開催され、プロデューサー、脚本家、評論家、配給、宣伝、興行関係者らで構成された審査員たちがベスト10を選出する。
榮倉は、「まさか二つの映画で主演女優賞をもらえるなんて。夢のようですごくうれしいです」と笑顔満開。青山真治監督、瀬々敬久監督という、野心的な作品を発表する監督の作品に出演したことについて「本当に出会いってありがたいと思って。両監督ともわたしのことを大切にしてくださったので、これからも年齢に関係なくいろんな方に出会って、一緒に悩みたいなと思います」とコメント。改めて女優としての飛躍を誓ったようだ。
チケットが1分で即完売になったというこの日の会場は、女性客でいっぱい。お目当ては西島のようで、その登場に大きな歓声が。「今までの限界を超えるような、違った役を演じることが出来た。これもスタッフ、キャストの皆さんの異様な熱気のおかげだと思います」と感謝を述べる西島に、会場からは「おめでとう!」と祝福の声が相次いだ。大高氏から「ストイックな印象がありますが」と声を掛けられると西島は、否定しながらも「でもやっぱりここ数年ですね。改めて役作りにとことん真剣に向き合おうという思いはあるので。世界一狂っている俳優は俺だ、という思いで向かっています」と熱い思いを述べた。
また、監督賞を受賞した『CUT』のアミール・ナデリ監督も登壇。熱い思いをぶつけるかのごとく、コメントが止まらないナデリ監督の口を西島が「もうしゃべるのはやめましょ」と抑える一幕もあるなど、息の合った様子。「次回作も彼と一緒にやりたい」というナデル監督は、「ディズニー映画のように興収を重視した映画だ」と冗談交じりにコメントしていた。(取材・文:壬生智裕)
第21回 日本映画プロフェッショナル大賞は以下の通り
個人賞
作品賞 『監督失格』(平野勝之監督)
監督賞 アミール・ナデリ監督(『CUT』)
主演女優賞 榮倉奈々(『東京公園』『アントキノイノチ』)
主演男優賞 西島秀俊(『CUT』)
新人監督賞 大根仁(『モテキ』)
新人監督賞 前田弘二(『婚前特急』)
特別賞 千葉善紀(『恋の罪』の製作に対して)
功労賞 緑魔子(『軽蔑』の演技と長年の功績に対して)
ベストテン
1『監督失格』(平野勝之監督)
2『アントキノイノチ』(瀬々敬久監督)
3『東京公園』(青山真治監督)
4『恋の罪』(園子温監督)
5『まほろ駅前多田便利軒』(大森立嗣監督)
6『奇跡』(是枝裕和監督)
7『歓待』(深田晃司監督)
8『軽蔑』(廣木隆一監督)
9『劇場版 神聖かまってちゃん ロックンロールは鳴り止まないっ』(入江悠監督)
9『婚前特急』(前田弘二監督