マシュー・マコノヒーとリース・ウィザースプーンも同席!批評家週間グランプリ監督が天才子役らとコンペ参戦
第65回カンヌ国際映画祭
現地時間26日、第65回カンヌ国際映画祭コンペ作品の一つで、アメリカ映画の『マッド(英題) / Mud』正式上映に伴い記者会見が行われ、ジェフ・ニコルズ監督と主演のマシュー・マコノヒー、妊婦姿のリース・ウィザースプーン、出演する子役の二人が一堂に会し、撮影時の様子などを語った。
本作は、アメリカ南部を舞台にしたロマンティック・ラブアドベンチャー。警察に追われながら、愛するジュニパーの元へ戻ろうとするマッドと、逃走中の彼と偶然出会い、思いがけず友情が芽生えた14歳のエリスとネックボーンの三人が、ミシシッピ川の島を脱出しようとする姿を描く。
『テイク・シェルター』で昨年の本映画祭批評家週間グランプリを受賞したニコルズ監督の最新作で、アメリカ南部の美しい風景描写もさることながら、二名の子役の存在感の高さに、会見場で彼らの名前が紹介されると記者たちから拍手が上がった。
その二人、昨年のパルムドール受賞作『ツリー・オブ・ライフ』に出演したタイ・シェリダンと、本作が映画デビューとなるジェイコブ・ロフランドは、会見で「撮影に向けて何か準備をしたか」と聞かれ「特に何も」とコメント。すかさずニコルズ監督が「彼らの運動神経はずば抜けている。南部の大自然に放り投げて無理難題を要求しても、すぐに体言してくれた。この子たちが都会育ちだったら、そうはいかないよね」とフォローする。そして「たいした準備なんかしてないって言うけど、台本をしっかり読み込んで理解していた。とんでもない子役たちだよ」とその実力に太鼓判。確かにジェイコブの風ぼうは、『スタンド・バイ・ミー』出演時の故リヴァー・フェニックスを彷彿(ほうふつ)とさせた。
マシューとリースは撮影について「元々わたしたちは田舎町出身だから、撮影現場のアメリカ南部はとてもリラックスできたし、撮影中はまるで家族と一緒にいるようだった」とコメント。記者会見場に同席していた、プロデューサーのライザ・マリア・ファルコーニは「マーティン・スコセッシ監督に本作を観てもらったら、大絶賛だった。ニコルズ監督は、最も才能のある若手監督の一人だと確心している」とニコルズ監督を大絶賛していた。明日のコンペ授賞式では、この新人監督が台風の目となるか注目されている。(記者:高松美由紀)