ギレルモ・デル・トロ監督3D版アニメ『ピノキオ』は、「ディズニー版より強烈なものになる」

　3D版アニメ『ピノキオ』の監督を務めることになっているギレルモ・デル・トロは、本作が「ディズニー版より強烈なものになる」とエンターテイメントウィークリーの取材で明かしている。

ギレルモ・デル・トロ監督・脚本映画『パンズ・ラビリンス』写真ギャラリー

　「セサミストリート」などのマペットショー製作で知られるジム・ヘンソンのプロダクション会社製作で、映画『ファンタスティック Mr.FOX』のアニメーション監督マーク・グスタフソンと共同監督することになっているデル・トロ監督は、自身もディズニー版アニメ『ピノキオ』の大ファンだそう。だが、彼が手掛けるのは、レーティングPG13をイメージしたティーンエイジャー向けのバージョンで、「よりダークなだけではなく、もっと複雑なリアリティー、複雑な道徳的問題を含んだ作品になる」とイメージを語っている。

　現在は、ほぼ完成版に近い脚本が出来上がっており、ビジュアルやストーリーボードなどに取り組んでいるそう。また、2002年に出版された新版の「ピノキオ」絵本のイラストを手掛け、本作では脚本執筆にも携わっている、グリス・グリムリーのビジュアルコンセプトが基になっていくとのことだ。

　「ゼペットじいさんには、トム・ウェイツを希望している」とデル・トロは明かしており、以前はダニエル・ラドクリフが声優としての出演を熱望していると伝えられたが、まだキャストは確定していないようだ。

　遊びの国で楽しい時間を過ごしすぎたピノキオが、ロバに変わってしまう怖さは、絵本や映画で「ピノキオ」に親しんだことのある人なら、誰でも味わったことがあるだろう。あの怖さが、さらにダークで強烈なものになるというデル・トロ仕立ての『ピノキオ』に、期待は高まるばかりだ。（鯨岡孝子）