「館長 庵野秀明 特撮博物館」開館!特撮短編「巨神兵東京に現る」は長編化も視野に!?
9日、エヴァンゲリオンの生みの親である庵野秀明が館長、平成ガメラシリーズで特技監督などを担当した樋口真嗣が副館長を務め、スタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサーが企画・制作協力に携わった「館長 庵野秀明 特撮博物館」のプレス内覧および開会式が行われ、館内で公開されるスタジオジブリ最新特撮短編映画「巨神兵東京に現わる」の制作秘話が明らかになった。
「館長 庵野秀明 特撮博物館」内覧会&開会式フォトギャラリー
開会式冒頭であいさつに立った庵野館長は、「現在の特撮を取り巻く状況に、ものすごく危機感を持った」ことが今回のプロジェクトの原点であり、そこから鈴木プロデューサーに相談したことで道が開け、3年の時を経て「特撮博物館」として実現に至ったと、感慨を込め振り返る。
現在、11月17日に公開が決定した『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』の準備を進めている庵野館長だが、「特撮博物館」と並行しての作業は並々ならぬ苦労があったようで「本当に大変だったんです。一緒にヱヴァンゲリヲンを作っているスタッフと、支えてくれた妻に心からお礼を申し上げます」と感謝を述べる一幕もあった。
また、「特撮」という昭和の技法に平成の最新技術で挑み話題となっている短編映画「巨神兵東京に現わる」だが、鈴木プロデューサーは「ジブリで打ち合わせをしていて、短い特撮映画をやろうという話になって、それから巨神兵を使う許諾を宮崎駿に取りに行って『いいよ』と言われて。話に出てから決定まで5分から10分ほどしか、かかっていません」と秘話を披露。
肝心の宮崎監督はまだ本作を観ていないとのことで、鈴木プロデューサーと本作の監督を務めた樋口副館長はそれぞれ反応が気に掛かるようだったが、巨神兵が登場するさらなる長編制作の可能性を問われると、「それはもちろん。でも一人ではできないので……」(樋口)「縁があればできると思う」(鈴木)と互いに語り、断言こそなかったが前向きな様子だった。(取材・文:長谷川亮)
「館長 庵野秀明 特撮博物館 ミニチュアで見る昭和平成の技」は7月10日から10月8日まで東京都現代美術館にて開催