『るろうに剣心』の大友監督、原作者の称賛の言葉振り返り「肩の荷が下りました」
9日、映画『るろうに剣心』のティーチインイベントが、都内のワーナー・ブラザース映画試写室で行われ、メガホンを取った大友啓史監督が、本作に懸けた思いや、撮影秘話を熱く語った。
コミックス累計発行部数5,400万部を超える、和月伸宏の人気マンガを実写化した本作。撮影開始前、和月から「CGやワイヤーアクションに頼るのではなく、リアルに」との要望があったという大友監督は、「アクションがただの振り付けになってしまうのは嫌。そこにキャラの感情や戦う理由、戦い方や武器の間合いの違い、ドラマ性とアクションのあり方をいかにバランスよく良く調合するかに、気を使いました」と強いこだわりを持って撮影に臨んだと明かす。
人気マンガの実写化という試みにも、自身のキャリアをかけて工夫を凝らしたといい「衣装は原作のコンセプトを生かしつつ、実写として変にならないよう、素材や質感を変えることでなじませました。キャラクターはマンガに寄せるのではなく、役者がもともと持っているものに似せるようにしました」と説明。そうして完成した本作を観た原作者の和月は、鑑賞後すぐに立ち上がって大友監督に手を差し出すと「最高です。言うことないです、満足しています」と絶賛したといい、大友監督はその瞬間を「肩の荷が下りました」とうれしそうに振り返った。
また大友監督は、そんな自分の熱意に応えるべく、猛特訓を積んで撮影に挑んだ佐藤健にも賛辞を送り、「特訓中に(佐藤が)足をケガしたとき、事務所から怒られるかと思ったら『練習が足りないからケガをした。だからもっと練習の時間を増やしてください』と言われ、胸を打たれました」と述懐。佐藤は練習に入る前の会見で「アクションがかっこ良くなかったら役者を辞める」と決意も口にしたといい、「一人の若者が勝負をかけた場に立ち会えたのは、監督として幸せでした」とその役者魂を称えていた。
本作は、人呼んで「人斬(き)り抜刀斎」こと若き剣客・緋村剣心(佐藤)が主人公の時代劇アクション。あるとき立ち寄った街で、自分の名を名乗る人物が起こした事件に遭遇した剣心の活躍と騒動を描いていく。(取材・文:中村好伸)
映画『るろうに剣心』は8月25日より全国公開