武井咲、汚れてもいい!女優の魅力に引き込まれた『るろ剣』撮影を振り返る
映画『るろうに剣心』でヒロイン・神谷薫を演じた武井咲が、本作を通じてより強くなったという女優としての覚悟について語った。剣術道場を一人で守る17歳の師範代という役柄に挑戦した武井は、「少しでも道場になじむために、カメラが回っていないときには雑巾がけをしていました」と笑顔で話すなど、その役づくりは実に見事なものだ。
そんな武井は、撮影前には原作とアニメ版をしっかりチェック。自身の役づくり……のはずが、剣心の魅力にハマってしまったそうで、「かっこいいですよね~」と告白。もちろん、自身が演じた薫というキャラクターにも魅力を感じたといい、「すごくけなげで真っすぐで、そこが本当にキュート。一人で道場を守るという寂しさはあるはずだけど、それを顔には出さず、むしろ『そんなの平気よ!』って言うところがかわいらしいんです。剣心にどんどんひかれていっているのに、それに気付いていないところも魅力ですね」と薫というキャラクターを絶賛した。
だが、真っすぐであるがゆえに、薫は剣客・刃衛と対決することにもなる。「殺陣(たて)って紙一重でとても危険なものなんです。だから、なかなか本気では打ちこめないんですけど、刃衛役の吉川(晃司)さんがドンと構えてくださったので、安心して撮影に臨むことができました」と振り返る。別のシーンでは、“心の一方(しんのいっぽう)”という呼吸ができなくなる術をかけられてしまう展開も。「大友(啓史)監督からは『本当に息を止めないとできない演技』というアドバイスをいただきました。長い時間、呼吸を止めると自然と涙がこぼれてきて、言葉も継げなくなるんですよ」と明かした武井は、それらの撮影を通じて女優としての覚悟を一層強くしたという。
「もともとモデル志望だったので、かわいい服を着たり、大人っぽく見えるだけでうれしかったんです。基本的にモデルはいつもきれいでいることが大事ですよね。でも、女優はむしろ汚れているほうが魅力的に見えることもある。それって、かっこいいじゃないですか」と開眼した様子。上のワンシーンを例に挙げると、「まず、呼吸が止まった人間はどういう状態になるんだろう? って考えてみます。そして、そんなむちゃくちゃな発想を実際に演じるのが本当に楽しいんです。泥や涙にまみれてグチャグチャになっても、自分が作品の役に立つのなら『もう、どうなってもいい!』って思えるようになったんです」と強いまなざしで語った。
武井にとって本作の最大の魅力とは何なのだろうか。「自由にお芝居をさせてくれた大友監督、真剣に殺陣に取り組んでいた(佐藤)健くん、撮影の有無を問わずいろんな話をしてくださった蒼井さん、そして懐の広い吉川さん。素晴らしい先輩たちと出会えた現場でした」とまぶしい笑顔で話した武井。本作については「そんな人たちが作った作品ですから本当にすごい映画になっています。いろんな要素はありますが、とにかくアクションシーンを堪能してください」とアピールしていた。(大小田真)
映画『るろうに剣心』は8月25日より全国公開 22日~24日に先行上映あり