栗原小巻、涙を浮かべる 故・竹脇無我さんに思いをはせ…
1日、DAIKANYAMA T-SITE 代官山 蔦屋書店で、木下恵介テレビドラマシリーズDVD-BOX発売記念「3人家族」「二人の世界」トークイベントが行われ、この2作品に関わった女優の栗原小巻が出席、脚本家の山田太一、俳優のあおい輝彦と共にトークショーを行った。
栗原小巻が出席!「木下恵介テレビドラマシリーズ」トークイベントフォトギャラリー
映画黄金期を代表する映画『二十四の瞳』『カルメン故郷に帰る』などで知られる名匠・木下恵介監督の生誕100年を記念して、日本のテレビドラマの礎を築いた木下恵介テレビドラマシリーズを初DVD化する本プロジェクト。山田にとって「3人家族」は、連続ドラマ1シーズンすべての脚本を山田自身が手掛けた初の作品となる。
木下監督について栗原は、「50年代、60年代と素晴らしい名作をお撮りになりましたけど、わたしたちはそれには間に合わなかった世代。しかし監督がテレビに進出されるということで、その演出を受けられるのが幸せなことでした」と振り返る。松竹の屋台骨を支えた木下監督だけあって、テレビドラマといえども、「当時は大船撮影所という映画の撮影所を使って、フィルムで撮影しました。また、電車の車両を全部借り切って撮影するなど、まるで映画のように素晴らしい現場でした」と懐かしそうな顔に。
「3人家族」「二人の世界」には、栗原、あおいのほかに、昨年8月21日に逝去した竹脇無我さんも出演。そのことに触れた栗原はうっすらと涙を浮かべ、「とても残念な気持ちでいっぱいです。撮影のときは本当の家族のように温かく、明るくて和やかで。それは無我さんの人間的な素晴らしさが反映されていたのかなと思います。のちにお会いすることがあってもすぐにその世界に戻ることができました。わたしたちにとっては青春でしたし、まるで幼なじみのようでした」と述懐。会場に集まった観客たちも彼らの話に、興味深そうに耳を傾けていた。(取材・文:壬生智裕)
「木下惠介アワー 二人の世界 DVD-BOX<5枚組>」は発売中、「木下恵介アワー 3人家族 DVD-BOX<5枚組>」は10月26日に発売予定(税込み:各1万9,950円)