出版大手・文藝春秋が映画事業に進出!これまでは89年間で1作…今年は怒濤の3か月連続公開
出版社大手の文藝春秋が映画事業に本格参入し、今年だけで3本の映画を公開する。創立90周年を来年に控える同社だが、1995年のアニメーション映画『アンネの日記 The Diary of Anne Frank』だけを例外に、これまでまったく映画事業には関わってこなかったという。
記念すべき第1弾は、9月8日に公開される映画『夢売るふたり』。『ゆれる』『ディア・ドクター』で映画ファンの心をつかんできた西川美和監督の3年ぶりの新作ということはもちろん、松たか子と阿部サダヲが火事で全てを失ったため結婚詐欺で再起を図る夫婦を演じるということが早くから話題を呼んでいる。公開に先駆け、8月にはメイキングブック「夢売るふたり~西川美和の世界」の発売を予定している。
続いて10月に公開されるのは、直木賞作家・桜庭一樹の小説を原作にした『伏 鉄砲娘の捕物帳』だ。「文藝春秋創立90周年記念作品」と銘打っているだけあって、豪華スタッフ・キャストをそろえており、声優陣には寿美菜子、宮野真守、坂本真綾、神谷浩史がキャスティング。9月に原作が文庫化されるほか、文春文庫の「秋の100冊フェア」のイメージキャラクターへの起用も決まっているという。
そして、11月に控えているのは、「このミステリーがすごい!」などの年間ランキングを総なめにした貴志祐介の同名小説を伊藤英明主演、三池崇史監督で映画化した『悪の教典』。学校という閉鎖空間を舞台にした大量殺戮(さつりく)が描かれるということで、原作ファン以外からも注目されており、その内容とも相まって今年最大の問題作といっても過言ではない作品に。公開に併せ、原作は8月に文庫化される。
硬軟織り交ぜた3本は、来年以降の展開にも期待できそうなラインナップ。文庫化やメイキングブック発売といったメディアミックス展開は出版社ならではであり、そうした強みを生かした映画事業進出がどういった効果を生み出すのか、期待大だ。(編集部・福田麗)
映画『夢売るふたり』は9月8日により全国公開
映画『伏 鉄砲娘の捕物帳』は10月20日より全国公開
映画『悪の教典』は11月10日より全国公開