MGMが『レイジング・ブル2』製作の差し止めを求めていた訴訟を取り下げ!撮影中の作品のタイトル変更へ
MGMが映画『レイジング・ブル2』製作の差し止めを求めていた訴訟について同作の製作と和解したことがHollywood Reporterの報道で明らかになった。
1980年の映画『レイジング・ブル』は、実在のボクサー、ジェイク・ラモッタの半生を描く伝記映画で、巨匠マーティン・スコセッシの監督作品でも代表作のひとつ。同作は、1970年に出版されたラモッタの回想録「レイジング・ブル:マイ・ストーリー(原題) / Raging Bull: My Story」を基にしているが、ラモッタは1986年にその回想録の続編「レイジング・ブル2:コンティニュイング・ザ・ストーリー・オブ・ジェイク・ラモッタ(原題) / Raging Bull II: Continuing the Story of Jake La Motta」を出版しており、今回、訴訟の対象となった映画版はこちらを下敷きにしている。
『レイジング・ブル2(原題)』には、マーティン・スコセッシ監督や主人公を演じたロバート・デ・ニーロ、前作のキャストやスタッフ、制作会社はかかわっておらず、原作者だけが共通している。ジェイク・ラモッタ役は、映画『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』のウィリアム・フォーサイスが引退後のラモッタ役を演じ、さらに若手俳優モジーン・アリアが初期の頃を演じている。
今回の和解のポイントはタイトルを『ザ・ブロンクス・ブル(原題) / The Bronx Bull』に変更すること、またストーリーに前作と一切の関係性を持たせないことの2点で、これを『レイジング・ブル2(原題)』の製作陣が承諾したことで、和解にこぎつけたとのこと。こうなってくると『ザ・ブロンクス・ブル(原題)』は製作する価値ある映画なのか疑問が沸いてくるが、出来上がりを見届けたいと思う。(後藤ゆかり)