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「感動必至」のクチコミで大ヒット! 最強のコンビ監督から生まれた『最強のふたり』製作秘話

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エリック・トレダノとオリヴィエ・ナカシュの両監督
エリック・トレダノとオリヴィエ・ナカシュの両監督

 フランス本国をはじめ、ヨーロッパで大ヒットを記録した映画『最強のふたり』を生み出した最強のコンビ監督、エリック・トレダノオリヴィエ・ナカシュの二人が、人々の心をつかんだ本作の制作舞台裏を来日インタビューで明かした。

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 2003年のこと、あるドキュメンタリーがフランスのテレビ局で放映された。それは事故で全身不随となった大富豪の男性フィリップと、彼の身の回りの世話をするスラム出身の介護人アブデル(映画版にはドリスの名で登場)の交流談。異質な境遇にある者の出会いから生まれる幸せの1ページという「物語に恋した」トレダノとナカシュは、二人のコラボ作の長編第4弾として本作の製作に乗り出すことになった。

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 「人々に感動を与えたいという気持ちが大前提。それに生きる喜びを考えてもらいたかった。本作を悲劇にするか喜劇にするか、われわれの手腕の見せどころ。映画作りを料理に例えるならば、実話という良い素材にふさわしい調理法を選んで提供するのみ。成功のレシピはない」と語ったのはトレダノ監督。本作は身障者を描く際の、タブーという名の壁をユーモアで乗り越えている。ナカシュ監督は「重要なのはキャスティング。フィリップ役のフランソワ・クリュゼには『話し方は普通に。病人を演じないでほしい』とお願いした。そうすることで冒頭の病人のフリをするシーンに意味が生まれて深い印象を与える」という計算し尽くされた演出の一端を明かした。

 その言葉が示すとおり、ハンディキャップを前面に出す演出は封印し、人と人の交流に主軸を置くため、カメラワークも工夫した。「大部分が着座と立ち姿の二人のシーンだから、身長差を考えた末に視線に着目した。実際、われわれがフィリップ本人に会ったときは、最初どうアプローチしていいのかわからずに戸惑った。でも、いざ会話を始めると数分で彼が車椅子であることを忘れていた。その体験から、フランソワは顔のショットを中心にした。僕らは、脳が動いていれば、手や足が動かせなくても人とコミュニケーションがとれるのだと伝えたかったんだ」と身障者との接し方を含めた持論を両監督は展開した。

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 そんな息のぴったり合った両監督は「エリックは愉快。学識があるし合理的。一緒だととても楽しい」「オリヴィエは物静か。働き者で社交的で……特に女性に紳士的(笑)。居心地がいい」と対照的な個性を認め合う仲だ。企画が頓挫したときこそコンビを組むメリットがあるといい、異なる個性が融合することは作品の完成度を高め、創作の原動力にもなるそうだ。取材中も「次回作のアイデアがひらめいた」とトレダノが言い出せば、ナカシュが「いいね」と応じる場面も。そうかと思えば少年のように「サイキョーのふた~り」と自作を日本語でコールしてガッツポーズではしゃいだり……映画『最強のふたり』は、最強の監督コンビだからこそ誕生した作品といえるだろう。(取材・文:南 樹里)

映画『最強のふたり』は9月1日よりTOHOシネマズ シャンテほかにて全国公開

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