高岡蒼佑、久々の舞台あいさつに登場!「燃え上がるように生きたかった」
23日、大分県由布市の湯布院公民館で開催されている第37回湯布院映画祭で特別試写作品『千年の愉楽』が上映され、若松孝二監督、高良健吾、高岡蒼佑、佐野史郎らが舞台あいさつ&シンポジウムに出席、シンポジウムでは映画を鑑賞したばかりの観客たちと熱く語り合った。
紀州の海を見下ろす静かで小さな集落を舞台にした中上健次の同名小説を『キャタピラー』の若松監督が映画化した本作。天神に背いたため呪いをかけられたと伝わる、高貴な旧家一族の末裔(まつえい)となる若者たちの運命を、寺島しのぶ演じる産婆の視点から描き出した神話的な物語である。
壇上に立った高岡は、「湯布院では、まず最初に手相を見てもらいまして。社長になる線が出ていると。それから大胆な奴だと言われ、ごもっともと思いました。劇中でも大胆な役をやっておりますので、ぜひ観てください」と軽妙にあいさつ。
高岡は、自分の血をめぐる宿命から逃避するために、ヒロポンや窃盗といった刹那的な行動に手を染め、破滅していく男・三好を好演。「監督からはちょうどいいタイミングでお話をもらって。最後の三好のセリフじゃないですけど、燃え上がるように生きたかったというか、自分もそういう感覚を持って生きていた時期だったので、ほかの役とかよりもちょうど入りやすい時間だったというか。(劇中では)燃え上がるように生きました」と熱く語る。そこに若松監督がしみじみと「いろいろあったからねぇ」と付け加えると、高岡は「いろいろはないですよ」と反論。そんな二人のやりとりに会場は笑いに包まれた。
一方の高良は、その美ぼうゆえに女たちの愛欲にとらわれ、自滅していく男・半蔵を好演。『軽蔑』に続いて中上作品への参加となったが、「自分にとってはそこから始まったという気持ちがあります。11月12日が誕生日なんですけど、『軽蔑』の撮影のとき誕生日を迎えて。そしてこの作品を撮影しているときにも誕生日を迎えた。二つとも中上作品で、すごい縁を感じました」と感無量の表情を見せた。(取材・文:壬生智裕)
第37回湯布院映画祭は8月26日まで由布市の湯布院公民館で開催中