佐藤健、『るろうに剣心』で見せつけた覚悟!アクション監督が明かす驚愕の身体能力!
人気コミックを実写化した映画『るろうに剣心』でアクション監督を務め、『捜査官X』『孫文の義士団』などのアクション俳優ドニー・イェンの片腕として香港映画界でも活躍する谷垣健治が、大友啓史監督の「香港映画マニア」ぶりや、主人公・剣心を演じた佐藤健の「覚悟」について語った。
「どの監督も、スゴいアクションをやりたい、とは言いますが、大友監督は『日本の“ワンチャイ(『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ』)”にしたいんだよね』と。それだけアクションに特化した映画にしたいということなんですが、周りの人は置いてきぼりでしたね」と笑う谷垣。日本未公開だった『導火線 FLASH POINT』(谷垣参加)を例に挙げて語るなど、筋金入りの香港映画マニアだったことで、「ハゲタカ」など社会派で知られる大友監督のイメージが一変したそうだ。
そうして出来上がったアクションは、日本映画最高峰のクオリティーとの呼び声も高い。その理由に谷垣は、つば競り合いなど時代劇では当たり前の「うそ」を一切やめて、相手を「斬(き)りに行く」という意識を徹底したこと、佐藤はじめ俳優陣に古今東西のアクション・シーンを見てもらい、殺陣や動きの表現を一緒に研究したことなどを挙げる。「健くんには『SPL/狼よ静かに死ね』のほか、『用心棒』や『アジョシ』とか。青木(崇高)くんにはパワフルさを出してもらいたくて『ヤング・マスター/師弟出馬』『酔拳2』のクライマックスを、須藤(元気)さんには『スパルタンX』でのベニー・ユキーデを意識してもらいたかったんです。“こんな感じ”を伝えるいい方法ですし、彼らなりに昇華していってくれました」と香港映画を中心とした作品タイトルを次々と挙げた。
ちなみにクライマックスの観柳邸のシーンでは、佐藤が『レジェンド・オブ・フィスト/怒りの鉄拳』(谷垣参加)でドニーが披露する斜め走りに挑んでいる。「実はあれ、以前参加した『カムイ外伝』で開発していたんです。それを『レジェンド~』で試してみて、今回はもっとうまくいけると思ってトライしました。あの全力疾走、朝の4時台に撮っているんですが、健くんの動きがあまりに速すぎてカメラマンさんが驚いたぐらい。一気に目が覚めました。ほかにも、僕らの経験値だと10テイクぐらいかかるかな~、っていうアクションも一発で決めるし、欲深くもう1テイクやったら、もっとスゴい動きをしてきた。そんなことをやってのけた健くんの『覚悟』が、僕らにも『覚悟』をさせたといえますね」と佐藤を絶賛した。
「伝統時代劇に挑戦したとか、香港アクションを取り入れたというより、原作にこびず、なぞらず、原作にある精神を推し進めたらこうなった」と語る谷垣。「今後ワーナーから仕事が来なくなるぐらいムチャクチャやってやろうと思って、今やりたいことをすべてやり尽しました」と笑いながら語ったが、その目は自信に満ちあふれていた。(取材・文:くれい響)
映画『るろうに剣心』は全国公開中