日活映画がノルウェー上陸!ロマンポルノや三池監督『ヤッターマン』も
ニューヨークやパリなどで行われてきた日活創立100周年の世界巡回上映が、ノルウェーの首都オスロで開催される映画祭・第22回フィルムズ・フロム・ザ・サウス(10月4日から14日まで、シネマテークのキノで開催)で行われることがわかった。北欧での開催は今回が初めてとなる。
世界巡回は昨年9月のニューヨーク映画祭を皮切りに、パリのシネマテークなどで行われてきた。各映画祭のプログラマーが上映リストから独自の視点で厳選するため、毎回傾向が異なるのが特色だ。ニューヨークでは日活スター宍戸錠が駆けつけ、フランス・ナント三大陸映画祭では『藤原義江のふるさと』と『御誂次郎吉格子』を、活弁士(無声映画を「語り」で表現する人)・澤登翠による活弁上映で実施。パリでは、曽根中生監督のミニレトロスペクト(回顧上映)やロマンポルノも多数上映された。
ノルウェーでの開催は、映画祭アート・ディレクターのラース・スカーゲンがナントでの上映を観て、日本の巨匠たちの仕事に感銘を受けたのがきっかけ。英語字幕が付いている作品の中から、伊藤大輔監督の『忠次旅日記』や相米慎二監督のロマンポルノ『ラブホテル』など計13本をセレクトした。中には、アバンギャルドな『野良猫ロック セックス・ハンター』や、三池崇史監督の『ヤッターマン』も含まれている。
同映画祭はもともと、ノルウェーでは日頃なかなか見られない、アジアやアフリカ、南米など同国より南にある地域の作品を中心に上映しており、伊丹十三監督『タンポポ』、今岡信治監督の『おじさん天国』などを取り上げてきた。それだけに、なかなか通好みなラインナップになっている。
プログラマーのルナー・ヤンセンは「私たちは創造と再表現という2つの視点から選出しました。特に近年のリストから選んだ『ヤッターマン』は、“再表現”の素晴らしい仕事としてリスペクトしています。派手でカラフルで創造性に満ちあふれていて、何より楽しい」と選出した理由を語っている。ノルウェーで日本映画の劇場公開は年に2、3本と非常に少ないが、これを機会にファンが増えることを期待したい。
第22回フィルムズ・フロム・ザ・サウスは10月4日から14日まで開催