工藤夕貴出演作モントリオールでW受賞 高倉健『あなたへ』は主要賞逃すも特別賞
現地時間3日、第36回モントリオール世界映画祭の受賞結果が発表され、工藤夕貴出演の日本・カナダ合作映画『カラカラ』がコンペティション部門の「世界に開かれた視点賞」と、「カナダ映画を対象にした観客賞」の2賞を受賞した。ワールド・コンペティション部門に出品されていた高倉健主演の降旗康男監督映画『あなたへ』は主要部門での受賞を逃した。
出演作がW受賞を果たした工藤は、「とってもドキドキしましたが、映画のタイトルを呼ばれたときは本当にうれしかったです。わたし自身、大好きな映画『カラカラ』が『観客賞』というかたちで、多くの方に支持をしてもらえたということはとてもうれしいです」と喜びを表現。なお、同作は「映画の登場人物たちが個人レベルだけでなく、文化を越えてお互いを理解していくプロセスを非常にうまく描いている」という点が評価され、「世界に開かれた視点賞」を受賞した。
『あなたへ』が獲得を目指していたグランプリにはトルコの『ウェアー・ザ・ファイアー・バーンズ(英題) / Where The Fire Burns』、主演男優賞には『カミング・オブ・エイジ(英題) / Coming of Age』に出演したオーストリアのベテラン俳優カール・マルカッツが輝いた。
そのほか、監督賞はスウェーデン映画『ザ・ラスト・センテンス(英題) / The Last Sentence』のヤン・トロエル、主演女優賞はドイツ映画『クローズド・シーズン(英題) / Closed Season』のブリギッテ・ホブミアーが受賞している。
『あなたへ』は主要部門での受賞を逃したものの、エキュメニカル賞特別賞を受賞。これは、コンペティション部門以外の審査員が選ぶ、人間性の内面を豊かに描いた作品に与えられる特別賞となっている。(編集部・市川遥)
映画『カラカラ』は2013年1月19日より新宿ピカデリー、沖縄シネマQほか全国公開
映画『あなたへ』は公開中