「したまちコメディ大賞2012」、グランプリは天野千尋監督の『フィガロの告白』に!観客賞二冠に
16日、現在開催中の「第5回したまちコメディ映画祭in台東」で世界にはばたく新たな才能の発掘をコンセプトにした「したまちコメディ大賞2012」が開催され、天野千尋監督の『フィガロの告白』が「グランプリ」と「観客賞」の二冠に輝いた。
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今年で4回目を迎える短編コンペ部門「したまちコメディ大賞」。20分以内のオリジナル・コメディ作品という条件の下、今年は応募総数198本の中から厳選された12本が上映され、「グランプリ」「準グランプリ」「観客賞」「U-25特別賞」が決定した。
「グランプリ」と観客の投票で決まる「観客賞」のダブル受賞を果たした天野監督は「コメディな人間ではなので、コメディ大賞に入選したこと自体びっくりしているけど、本当にうれしいです」とよろこびもひとしお。笑わせようと意図した作品ではなく結果的に面白くなった作品だと明かし「お客さんに一番面白いと思っていただいたことがすごくうれしいですし、今後映画を撮っていくうえでの励みにします」とトロフィーを手に感激していた。
また、前回「グランプリ」を含む三冠に輝き、ガールズユニット「破れタイツ」の名で活動している吐山由美監督&西本真希子監督の『やぶカン!』は、25歳以下の監督の中から選ばれる「U-25特別賞」を受賞。同賞の特典として次年度の最終審査へのシード権も獲得し、吐山監督は「レギュラー番組ならぬレギュラー映画祭になればいいなと思います」と3年連続の出品に意気込んだ。そのほか、『準グランプリ』には谷坪明英監督の『こんにちは赤さん』が輝いた。
審査員には総合プロデューサーのいとうせいこうをはじめ、根岸吉太郎、小倉久寛、リリー・フランキーが参加。上映中の客席は絶えず大きな笑い声に包まれており、いとうせいこうは「年々レベルが高くなっていて、ハードルをやすやすと越えていく姿を見ていると、日本からいい映画が出てくるんじゃないかという気がします」と手ごたえを実感。豊作となった本年度を振り返り、根岸も「水準が高いと思います。20分という規定でしたが、ぜひともそれ以上の50分、1時間半、2時間の作品にも挑戦していただきたい」と監督たちを褒め称えていた。(取材・文:中村好伸)
「第5回したまちコメディ映画祭in台東」は9月17日まで開催