ADVERTISEMENT

ナックルボールを投げる大リーグの男たちを描いた映画が完成!ティム・ウェイクフィールド投手とR・A・ディッキー投手が語る魔球ナックルボールの魅力は?

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • ツイート
  • シェア
(左から)ティム・ウェイクフィールド投手、R・A・ディッキー投手、アン・サンドバーグ、リッキー・スターン
(左から)ティム・ウェイクフィールド投手、R・A・ディッキー投手、アン・サンドバーグ、リッキー・スターン

 大リーグ通算200勝を挙げ、今年の2月に引退を表明した元ボストン・レッドソックスのティム・ウェイクフィールド投手と、現在サイヤング賞候補のニューヨーク・メッツのR・A・ディッキー投手が、ナックルボールを題材にしたドキュメンタリー作品『ナックルボール!(原題) / Knuckleball!』について、共同監督アン・サンドバーグとリッキー・スターンとともに語った。

映画『メジャーリーグ』写真ギャラリー

 同作は、投球が最も難しいとされる魔球“ナックルボール”を投げる名投手を紹介しながら、彼らの苦労とその栄光を“ナックルボール”の歴史とともに振り返りながらつづったドキュメンタリーの秀作。

ADVERTISEMENT

 これまで、ダルフール紛争やえん罪を描いたドキュメンタリーを制作してきたアン・サンドバーグとリッキー・スターン監督が、なぜ野球に興味を示したのか。「この映画のプロデューサーで、野球が大好きなクリスティン・ショーマーが、同じくプロデューサーのダン・コーガンとともに、ナックルボールを題材にした映画のトリートメント(物語を概略的に説明したもの)を執筆して、わたしに渡してきたの。それを読んだときに、ナックルボールを投げる投手は(この球種を投げる人が少ないため)特徴的で、それぞれが興味深い人生を過ごし、さらに障害を乗り越えて成功しているから、面白いストーリーが描けると思ったの」と制作経緯をリッキー・スターンが語った。さらに制作が決定してから3日後には、スプリングトレーニングを行っていたR・A・ディッキー投手に会っていたことも明かした。

 ティム・ウェイクフィールド投手は、もともとファーストを守っていた。「高校時代にはピッチャーとして投げたこともあったから、投げ方についてはもちろんわかっていたけれど、実はナックルボールを投げ始めたのは、子どもの頃に遊んで投げていた時からなんだ。でも、(スプリングトレーニングで、ナックルボールを投げていたのを見ていた)コーチから突如、(打者として芽が出ないティムに)『今日から投手として投げてみろ!』と言われたときは驚いたよ! もう、投手として対応するしかないと思ったね……。生きるために仕方ない決断だったし、僕には投手になる以外に、ほかに選択肢がなかったんだ……」と過去を振り返った。

ADVERTISEMENT

 R・A・ディッキー投手は、ティム・ウェイクフィールド投手に憧れていたそうだ。「僕がナックルボールを投げ始めたときは、彼はすでに活躍していたから、野球のテレビ中継で彼の投げている姿をビデオに撮って、投げ方を自分に浸透させていた。でも、彼の投げ方で成功するときもあれば、駄目なときもあったんだ。そこで、何か足りないと思い始めたときに、過去に318勝しているフィル・ニークロにアドバイスしてもらい、彼からもっと(ナックルボールを投げるための)フィジカルな体力作りについて教わったんだ。それが僕には適していたようで、その結果2007~2008年にかけて投手として成功することができた。だから、ナックルボールを投げるいろいろな投手から学んだが、最終的には自分のスタイルを確立することが大切なんだ」と話してくれたR・A・ディッキー投手は、以前は決め球としてナックルボールを投げていたが、現在はその投球の8割がナックルボールだそうだ。

 映画は、日本ではナックルボールを投げる投手がほとんどいないため、この球種を勉強するだけでも価値のある作品で、さらにボールの軌道が予測不可能なナックルボールは、ある意味それを投げる投手たちの人生にも反映していて、興味深い映画に仕上がっている。 (取材・文・細木信宏/nobuhiro Hosoki)

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • ツイート
  • シェア
ADVERTISEMENT