被災地で初の映画祭で園子温監督『希望の国』ジャパンプレミア上映決定
2011年3月11日に発生した東日本大震災で甚大な被害を受けた被災地で初めて開催される映画祭「三陸映画祭 in 気仙沼」で、園子温監督の映画『希望の国』がジャパンプレミア上映されることが決定した。映画祭は10月5日から7日まで。すべての作品が無料上映される。
今回、クロージング作品としてジャパンプレミア上映が決定した『希望の国』は、『愛のむきだし』『ヒミズ』など衝撃的な作品を次々と世に送り出してきた園監督が、大地震の被害を受けた家族の姿を描いたヒューマン・ドラマ。夏八木勲、大谷直子、『ヒミズ』の村上淳、『冷たい熱帯魚』のでんでん、神楽坂恵が出演。第37回トロント国際映画祭ではアジア映画に贈られる最高の賞NETPAC賞を受賞していた作品だ。
「三陸映画祭 in 気仙沼」では、『希望の国』のほか、堤幸彦監督の映画『自虐の詩』『明日の記憶』、マキノ雅彦(津川雅彦)監督の映画『旭山動物園物語 ペンギンが空をとぶ』、三城真一監督の映画『引き出しの中のラブレター』、小橋賢児監督の映画『DON'T STOP! ドント・ストップ!』の上映も決定。それぞれの監督が来場するほか、『東京無印女子物語』の趣里などの来場も決定しているという。
メインスポンサーもない中、気仙沼市の有志による「三陸映画祭実行委員会」が、運営資金をクラウドファンディングサイト「WESYM」で募り、作品をすべて無料で上映する同映画祭。気仙沼市一帯の市民会館など被災建物や、「復幸マルシェ」など仮設商店街を活用した会場約10館で作品の上映が行われるほか、キッズゾーンに設定された紫市場商店街で映画各社の協力により数々のアニメ作品の上映やキャラクターショーなどの催しも予定。実行委員会の臼井賢志は「来年再来年も継続した動きになるように最終調整を行っています」と今後の展望も語っている。(編集部・島村幸恵)
「三陸映画祭 in 気仙沼」は10月5日から7日まで開催