吉永小百合、生徒の子役たちと合唱を披露 天使の歌声で会場を魅了
3日、丸の内の東京国際フォーラムで映画『北のカナリアたち』完成披露試写会が行われ、劇中で教師を演じた吉永小百合が生徒を演じた子役たちと合唱を披露した。この日は柴田恭兵、里見浩太朗、森山未來、満島ひかり、宮崎あおい、小池栄子、松田龍平、子役の相良飛鷹、小笠原弘晃、菊池銀河、佐藤純美音、渡辺真帆、飯田汐音、そして阪本順治監督らが登壇した。
北海道の小さな分校で起きた悲劇から20年後、本作では、事故によって引き裂かれた吉永演じる教師の川島はると生徒たちが再会を果たし、それぞれの心の傷が明らかになっていく様子が描かれる。この日のイベントでは、劇中に登場する重要なモチーフとして「合唱」が挙げられることから、生徒役を務めた6人の子役と吉永が「あの青い空のように」を披露。約3,100人の中から選ばれた子役たちは、澄み切った「天使の歌声」で会場の観客たちを魅了した。
そしてそこに、20年後の生徒たちを演じた森山、満島、宮崎、小池、松田が登場。劇中では彼らが童謡「かなりあ」を合唱するシーンがあるが、舞台あいさつに先だって行われた会見で森山は「あのときの6人の歌声は気持ちよかった」と述懐。満島も「みんなで(合唱の)指揮をしている吉永さんの表情はとても神々しくて、すさまじかったねと話していたんです。涼やかで美しい(現場の)空気が、あの場面には映ってたんじゃないかと思ったら、胸にグッとするものがありました」としみじみ振り返る。
さらに宮崎も「今回は先生(吉永)の目を見ない芝居が要求されたので、目を見て芝居をしたいとストレスでした。だから指揮をする吉永さんの顔を見ることが出来て、すごく幸せでした」と述懐。
そんな「生徒たち」との合唱シーンを振り返った吉永は「6人が真っすぐわたしを見ていて。それだけで何ともいえず感動したんです。昔、先生になりたいと思っていたこともあったので、先生冥利(みょうり)に尽きる瞬間でした」と晴れ晴れとした表情で、まさに「先生と生徒」として皆が充実した時を過ごしたようだ。(取材・文:壬生智裕)
映画『北のカナリアたち』は11月3日より全国東映系にて公開