去年同時期から興収が55%アップ!1位の『96時間』続編も前作の2倍の興収 -10月8日版
全米ボックスオフィス考
アメリカの映画市場にやっと活気が戻ってきた。2009年に大ヒットを記録したリーアム・ニーソン主演アクション・サスペンス映画『96時間』の続編映画『96時間/リベンジ』が、前作の約2倍にあたる4,951万ドル(約39億6,080万円)をたたき出してボックスオフィスを活気付かせた。今週は、ランキング上位12作品の興収が1億3,274万ドル(約106億1,920万円)まで上昇し、去年の同時期と比べ55パーセントのアップとなり、ハリウッドにとってうれしい週末となった。(1ドル80円計算)
『96時間/リベンジ』のデビュー興収は、歴代の10月封切り作品の中でも映画『パラノーマル・アクティビティ3』の5,257万ドル(約42億560万円)、映画『ジャッカス3D』の5,035万ドル(約40億2,800万円)に次いで第3位にランクイン。前作の『96時間』の公開から3年たった今もアメリカの映画データベースIMDbのユーザー採点で7.9というハイスコアを保っていて、続編の集客につながった一因と考えられる。
リーアムの新作の陰で泣くことになったのは、トップからすぐに突き落とされてしまったアニメ映画『モンスター・ホテル』で2,705万ドル(約21億6,400万円)。しかし、封切り10日間の興収は7,671万ドル(約61億3,680万円)となかなかの好成績。第3位に初登場したのは映画『ピッチ・パーフェクト(原題) / Pitch Perfect』の1,485万ドル(約11億8,800万円)。『ハイスクール・ミュージカル』シリーズや人気テレビドラマ「Glee」など、今はやりのミュージカルもので、大学の女子グループと男子グループが対決するという内容だ。
第4位は、第2位からランクダウンの映画『LOOPER/ルーパー』で1,212万ドル(約9億6,960万円)。そしてトップ5最後は『モンスター・ホテル』に負ける結果となってしまったティム・バートン監督アニメ映画『フランケンウィニー』で1,141万ドル(約9億2,800万円)。デビュー週末で第5位というのは、バートン監督作品にしては珍しく大きな敗北だ。ディズニーがこの新作を、強豪『モンスター・ホテル』の封切り後たった1週間時点で封切ったということがPR作戦の失敗だという非難を浴びている。
さて、今週末封切りの話題作を見ると次回のチャート争いは白熱しそうな気配だ。期待の1本目はベン・アフレックがジョージ・クルーニーと製作、そして監督と主演もこなした映画『アルゴ』である。イランで過激派の人質となってしまったアメリカ大使館員たちを救出するためにCIAが仕掛けた救出作戦はウソの映画製作だったという、うそのような本当の話を題材にしている。この作品でのベンの手腕は、すでにアカデミー賞候補へのうわさが上っているほど話題となっており、首位が狙えるかもしれない。
上位を狙うもう一つの新作は、イーサン・ホーク主演のホラー映画『シニスター(原題) / Sinister』だ。偶然屋根裏で発見されたフィルムを見たために、周囲で恐ろしいことが起こり出すという、どこかで聞いたような内容の映画。ハロウィーンが間近ということでPRという面では、観客に訴える要素が強いと考えられる。(文・ロス取材: 明美・トスト/Akemi Tosto)