ハリウッド一流監督を取り巻く過酷な現実…デヴィッド・フィンチャーがクラウドファンディングで映画製作へ
『ファイト・クラブ』『ソーシャル・ネットワーク』のデヴィッド・フィンチャー監督が、現在企画中のアニメーション映画の製作費をインターネット上で募っていることが明らかになった。同作は数年前に製作を発表しているものの、これまでのところハリウッドスタジオから援助を受けるには至っておらず、ついに一般からの資金調達に踏み切った。
デヴィッド・フィンチャー監督の映画『ソーシャル・ネットワーク』
フィンチャーがプロデューサーとして関わっているのは、ゾンビがはこびる街でギャングが用心棒として活躍するさまを描いた人気コミック「ザ・グーン(原題) / The Goon」のアニメーション映画化作品。すでに公開されているフッテージ映像などの製作費50万ドル(約4,000万円)はすべてフィンチャーをはじめとする製作陣のポケットマネーでまかなわれたというが、これまでのところ、ハリウッドスタジオからはすべて支援を拒まれているという。(1ドル80円計算)
そのため製作陣は、一般から資金を募る、いわゆるクラウドファンディングを決断し、今月大手サイトのKickstarterにページを開設。目標金額には40万ドル(約3,200万円)を掲げ、達成されたあかつきにはスタジオに売り込むための予告編映像を制作。それをきっかけに本格的な製作にこぎ着ける目算を立てている。
こうした現状が伝えるのは、フィンチャーほどの監督であってもすんなり企画が通るわけではないというハリウッドの厳しい現実だ。現にKickstarterページでは同作が支援を拒まれた理由としては「人気作品の続編でもなければ、動物たちが踊るような作品でもないこと」が挙げられている。
最近ではレオナルド・ディカプリオ主演の映画『華麗なるギャツビー』のバズ・ラーマン監督が同作制作中に増資を断られ、自ら資金繰りに奔走したとも伝えられている。23日15時までに、「ザ・グーン / The Goon」映画化企画にはすでに2,538人から計16万7,716ドル(1,341万7,280円)が寄せられている。本格的な製作に至るかどうか、これからが正念場だ。(編集部・福田麗)