女優ミムラ、SNSが普及した現状に恐れ
女優のミムラが崖っぷちのアラサー女性を演じるNHKよる☆ドラ「恋するハエ女」の完成試写会が31日にNHK放送センターで行われ、上映後にミムラが共演の筧利夫と共に会見を行った。
本作は、仕事も恋愛も人生も足踏み中の平凡なアラサー女性で、地方の小学校教師・小守絵美(ミムラ)が主人公のサスペンスラブコメディー。ツイッターやSNSに匿名で愚痴をはきだすことを唯一の癒やしとしている絵美のもとに、「お前はハエ女だ!」と暴力的な返信を送る謎の男(筧利夫)が出現。絵美はその男から数々のミッションを与えられ、振り回されながらも華麗に変身していく。ちなみに、ここでいう「ハエ女」とは、「同じところをぐるぐる回り続けるダメ女」という意味。
今回ハイテンションなヒロインを演じたミムラは「こんな作品に呼んでもらえてラッキー。コメディーは観るのもやるのも好きだけど、こんなにカラッとして突き抜けた作品は初めて。ヒロインは、(視聴者に)面白いと感じてもらいたい部分と共感してもらいたい部分が入り交じっているので、そのあたりの演技のさじ加減が難しかったですね」と笑顔で役柄を振り返った。
一方、謎の男・八重樫修治役の筧は「今回ミムラさんは、自分の意見がないまま生きているようなヒロインを表現力豊かに演じている。だんだんヒロインの気持ちが、僕が演じる八重樫のほうに寄っていくのですが、実際はこういう美しい女優さんとそういうシチュエーションになるのはありえないことなので、非常に楽しい毎日を送っています。日常ではほぼ逆のパターンなので(笑)」と自虐ジョークを交えながらミムラを褒め称えた。
その後、ツイッターなどで誰でもダイレクトに作品への意見が言えるなど、役者と視聴者の距離が近くなっている現状について、ミムラは「批評家の人が増えたみたいな感覚になって、ちょっと怖い。縮こまってしまうような意識があります。でもわたしたちはそこを気にしすぎてもいけない。ありがたい意見として受け止め、そしてそれが次に作るときの燃料になるような、エネルギーの相互作用になるようなものになっていけば」と真摯(しんし)に語っていた。(古河優)
NHKよる☆ドラ「恋するハエ女」は11月6日から12月11日までNHK総合で毎週火曜日午後10時55分より放送(連続6回)