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負傷した退役軍人がヒマラヤ登山に挑戦するドキュメンタリー

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ドン・ハーン
ドン・ハーン

 ディズニーアニメ映画『美女と野獣』、『ライオン・キング』などを手掛け、さらにドキュメンタリー映画『オーシャンズ』のエグゼクティブ・プロデューサーも務めたドン・ハーンが、新作ドキュメンタリー映画『ハイ・グラウンド(原題) / High Ground』について語った。

 同作は、アフガニスタンやイラクの戦地で負傷したり、精神的トラウマを受けた11人の退役軍人が、困難を克服しながらヒマラヤ山頂をグループ登山する姿を描いたドキュメンタリー作品。映画『ブラインドサイト ~小さな登山者たち』で撮影監督を務めたマイケル・ブラウンがメガホンを取っている。

 まず、負傷した兵士11人を集めて製作した経緯は「スポーツ機関のワールド・チーム・スポーツには負傷した兵士たちのためのリハビリ・プログラムがあって、そのプログラムと、全盲でありながらエベレストを登頂したエリック・ウェイへンマイヤーが、ちょうどエリックのエベレスト登頂から10周年になることを記念して、この負傷した兵士たちと共にヒマラヤの山頂を登山することを企画したんだ」と語った。

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 戦地で同僚ヴィクターを失い、自らも重傷を負って全盲となった退役軍人スティーヴ・バスキスについて「彼は地雷で気を失って、気付いたときには同僚ヴィクターを失っていた。スティーヴは、ヴィクターには妻と2人の子どもが居て、自分は独身であることや、自分だけが生き残ったことに強い罪悪感を抱いているんだ。それでもスティーヴは亡くなったヴィクターのためにも毎日を最大限に生きようとしている。彼は全盲だが、ただ登山するだけでなく、他の退役軍人のためにも、兵役の後にも人生があることを見せてくれているんだ」と語った。そんなスティーヴはキリマンジャロを登山したり、ボストンマラソンも走ったりした経験もあるそうだ。

 ここからは、ドンがかかわったアニメについても聞いてみた。ディズニー時代から付き合いのあるティム・バートンについて「僕と彼はもう30年来の付き合いで、普段の彼は内向的でプライベートだから、(人々から)誤解されやすいんだ。でも彼は、素晴らしい労働倫理を持っている。そんな彼が制作した新作『フランケンウィニー』は、彼のペットとの実体験を基に描いた繊細な作品だ。彼は、いつも周りにいるスタッフを信頼して映画を制作しているため、常に同じスタッフと働くことが多い。そのため、新作『フランケンウィニー』の基となったオリジナルの短編をプロデュースしたリック・ハインリクスとも、その後何度かタッグを組んでいて、その頃から彼はスタッフに対して誠実だった」と明かした。

 さらにドンは、ロバート・ゼメキス監督の作品『ロジャー・ラビット』ではアソシエイト・プロデューサーを務め、ゼメキス監督がいかに上手く俳優と会話し、演技を俳優に委ねていくかを見て学んだそうだ。

 映画は、精神的にも肉体的にも苦しんだ退役軍人が、一歩一歩前進しながら、確かな道をつかんでいく姿が描かれている。 (取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)

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