綾野剛×石井岳龍!“人間に花が咲く”現代のおとぎ話制作!
綾野剛が、2010年に石井聰亙から改名したことも話題になった石井岳龍監督と、最新作『シャニダールの花』でタッグを組んだことが明らかになった。本作は、綾野と共に主演を務める黒木華の初主演作品となる。黒木は野田秀樹、蜷川幸雄の舞台で活躍しNHK連続テレビ小説「純と愛」に出演、映画『舟を編む』にも出演を決めており、話題作への出演が続く注目の女優だ。
今回、石井監督がオリジナル脚本で、綾野、黒木とのタッグで送り出すのは、聰亙の時代から温め続けていたという「人間に花が咲く」という幻想をモチーフに、花と人間の関係を問い掛ける、怖く美しい現代のおとぎ話。綾野と黒木は、画期的な新薬の開発につながるという人間に咲く花「シャニダールの花」の提供者の花の成長を全面的にケアする特殊な施設「シャニダール」で働く研究者・大瀧と新人・響子を演じる。
石井監督は、綾野について、「綾野君は、エッジの効いた独特の存在感や役への没入感の深さに感心していて、以前からとても気になっていた」そう。綾野は、「ただただ、忘れもしません。『始動、怖い、不安、それでも懸命に挑み続けよう』。クランクアップした瞬間、脳裏に溢れたのは、初日の監督の言葉でした。同時に、黒木華さんを初め、女性キャストの瑞々しい確かな力に、各部署のただならぬ集中力と緊張感に支えられ、最後まで大瀧賢治で立ち続けることができました。参加できたこと、大変興奮し感謝しています。石井岳龍組。静かな狂気」と石井監督とのタッグを振り返っている。
一方、「素朴な天然さが今回の役にぴったり」と抜てきされた黒木。綾野について、「すごく感覚的な方だと思いました。反射的というか、瞬時にリアクションを返してくださって、綾野さんのおかげで、楽しみながら安心して現場にいられたのだと思います」と感謝のコメント。初めての石井監督の現場では、「監督の魅力に引き込まれる毎日」だったそうで、「監督自身が明確なイメージをもっていて、それを確実に表現するスタッフや、役者がいる。この組で今まで経験したことのない空気感だったり、素に近い演技をすることの難しさを体験できた」と語っている。
『シャニダールの花』には、綾野、黒木のほか、シャニダールの花を咲かせる提供者役に、伊藤歩、山下リオ、刈谷友衣子、「シャニダール」の所長・吉崎役で古舘寛治が出演する。提供者には億単位の報酬が与えられる一方、やがて切り取った提供者に命に関わる異常をもたらすことが明らかになっていくという「シャニダールの花」。石井岳龍監督と綾野剛のタッグ、その幻想的な題材に、期待を寄せる映画ファンは多いはずだ。(編集部・島村幸恵)
映画『シャニダールの花』は2013年全国公開予定