市川海老蔵、最新作は千利休役! 直木賞受賞作「利休にたずねよ」映画化で中谷美紀と初共演!
歌舞伎俳優の市川海老蔵が、来年の正月に公開される映画『利休にたずねよ』で、主役の千利休を演じることが発表された。本作は、第140回直木賞受賞作である山本兼一の同名作を映画化。妻・宗恩役には、海老蔵とは初共演となる中谷美紀が扮し、『火天の城』の田中光敏がメガホンを取る。
海老蔵が演じる千利休は、蜜月の関係であった豊臣秀吉の怒りを買い、切腹を遂げた「茶の湯天下一」とうたわれた茶人。本作は、利休を取り巻く策略、師、弟子、妻との交わりを通して、美を追求し続けた利休の情熱と共に、日本芸術史上唯一の殉職といわれた利休切腹の真相を描く。
「約400年以上続いている市川家を築き上げた、初代・市川團十郎にはきっと特別な才能があったと想像しています。同じ頃、茶道の世界に現れた希有の天才が、千利休であったと思います」と役柄への格別の思いを語った海老蔵。オファーを2年前から受けていたことも明かし、「私に期待されているであろう、抜き身のごとく鋭い感性を持った千利休を表現できれば役者冥利に尽きます」と意気込みも十分だ。
妻役の中谷は、「利休ほどの人物に寄り添い、理解を示し、そして支えた宗恩という女性の深い愛と哀しみを佇まいだけで表現できるように努めたいと思います」とコメント。日本映画をけん引する女優と、歌舞伎界のプリンスの初共演にも注目したい。
海老蔵が松竹配給以外の作品に出演するのは、本作が初めて。映画『大奥』など、絢爛(けんらん)豪華な様式美を作り上げてきた東映京都撮影所美術チームが集結し、天下人・秀吉も驚愕(きょうがく)した究極の美の形・利休型を完全再現する。11月5日にクランクインする撮影は、京都・滋賀を中心にオール関西ロケを敢行する予定。
「利休の本当の魅力は彼の人間性。狂気と思えるほどに、美しいものを追い求める情熱にあったと私は、想像しています。きっと美にかかわることであれば、時には天下人である秀吉に対しても冷たい目で一瞥(いちべつ)するような瞬間もあったのかもしれません」とコメントした海老蔵。クランクインを目前に、自身が演じる「利休像」は、すでに出来上がっているようだ。
これまで、三船敏郎や三國連太郎と名だたる名優が演じてきた、千利休。古典芸能である歌舞伎の世界で芸術感覚を磨き続けてきた海老蔵が演じる、新たな利休に早くも期待が高まる。(編集部:森田真帆)
映画『利休にたずねよ』は、2013年12月全国公開予定