映画『慕情』の原作者ハン・スーインさん死去 享年95歳
第28回アカデミー賞作品賞ノミネート作品『慕情』の原作者ハン・スーインさんが、現地時間2日、スイス・ローザンヌの自宅で亡くなった。95歳。スイスのメディアATSほか複数のメディアが報じた。
NYDailyNews.comによると、ハン・スーインさんは、1917年に中国の河南省で中国人の父親とベルギー人の母親のもとに生まれ、日中戦争の際には看護師として病院で働き、軍人の夫と一度結婚するも破局。その後、ロンドンで医学を学び、医師として働く一方で、イギリス人特派員イアン・モリソンさんと自身のロマンスを書いた自伝的小説「多くの輝きをもつもの」を出版。同作が『慕情』としてハリウッドで映画化され、注目を浴びた。
彼女の代表作には「四つの顔」、歴史小説「悲傷の樹」「転生の花」「無鳥の夏」などがある。
映画『慕情』は、1955年に20世紀フォックスによって公開され、『回転木馬』『陽はまた昇る』のヘンリー・キングがメガホンを取り、主演女優には『白昼の決闘』『ボヴァリー夫人』のジェニファー・ジョーンズ、主演男優は『サンセット大通り』『第十七捕虜収容所』のウィリアム・ホールデンが演じていた。さらに、サミー・フェインが作曲した主題歌「慕情」は、映画史上に残る名作と評価されている。ご冥福をお祈り致します。(細木信宏/Nobuhiro Hosoki)