加瀬亮、田中裕子ら豪華キャストが木下恵介生誕100年記念映画に集結!
加瀬亮が、木下恵介生誕100年記念として製作される映画『はじまりのみち』で主演の木下恵介役に決まったことがわかった。そのほか恵介の母・たま役には木下脚本の『二十四の瞳』で大石先生を演じた田中裕子、兄・敏三役にはユースケ・サンタマリア、便利屋役に濱田岳という豪華キャストが集結した。
『はじまりのみち』は戦時中、木下監督が脳溢血(のういっけつ)で倒れた母を疎開させるため、兄と便利屋と三人で山越えしたという実話を軸にした作品。血気盛んな映画青年として軍部ににらまれ、松竹を一時離れるきっかけとなった『陸軍』のエピソードを盛り込みつつ、戦争という時代のうねりに翻弄(ほんろう)されながら、母を思う子、子を思う母の真実の愛の物語が描かれる。
監督と脚本を務めるのは『映画クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲』などで知られる日本アニメ界の第一人者、原恵一。彼が実写作品のメガホンを取るのは今回が初めてのこととなる。原監督は主演の加瀬について「穏やかな印象ながら、芯の強さも感じさせる人」とコメント。「木下監督が監督を辞めようとしていた時期の、絶望からの再生をきっと繊細に演じてくれると思います」と期待を寄せている。
木下監督にふんする加瀬は「時代の激しい流れに巻き込まれながらも、青年時代の木下恵介監督がどうしても手放せなかったもの、その大切なものを、原監督と一緒に同じ道をゆっくりとたどりながら、見つめていきたいと思っています」と意気込みを語った。
本作は11月にクランクインし、2013年2月の完成を目指している。撮影は木下監督の生誕の地である浜松ほかでのオールロケとなる予定だ。『二十四の瞳』『楢山節考』など数々の名作を生み出してきた木下監督の精神を、原監督と豪華なキャスト陣がどのように表現するのか期待がかかる。(編集部・市川遥)
映画『はじまりのみち』は2013年6月1日全国公開