映画界と女装界は同じマイノリティー!「オトコの娘」サミット開催!
20日、東京・新宿ロフトプラスワンにて、窪田将治監督のモントリオール世界映画祭フォーカス・オン・ワールド・シネマ部門正式出品3作目となる映画『僕の中のオトコの娘』公開を記念して、「オトコの娘サミット」が開かれ、女装趣味の男の子、通称「オトコの娘」たちが集合、「オトコの娘」についてのトークが展開された。
本作は、社会との距離を保つのが苦手な男の子・足立謙介(川野直輝)が、「オトコの娘」になることで、自らの生きる力を取り戻していく姿を描いた作品。窪田監督がメガホンを取った『失恋殺人』『クレイジズム』に続き、モントリオール世界映画祭正式出品3作目となる快挙を成し遂げた。
この日のイベントでは、「オトコの娘」も多数つめかけ、会場はゴージャスな「美女」たちで華やかな雰囲気に。そんな中、ビールを片手に登場した窪田監督は、終始リラックスした表情で、本作に込めた熱い思いを口にした。
そもそも女装をテーマに選んだのは、「マイノリティーに対する応援歌」だと窪田監督。「僕らがいる映画界も、女装界と同じマイノリティーなんですよ。狭くて、小さい世界。だから最初は、周りから『何やってんだ』とかいろいろ言われる。でも、自分はそれをやりたいからやる。そういう意味で、(主人公の)謙介は僕なんです」と語ると、客席では大きくうなずく人々の姿が。
また窪田監督は、当初は映画のタイトルを、「大林(宣彦)監督の『さびしんぼう』みたい(な雰囲気の映画)になればいいと思って」、「さびしんボーイ」にしていたと告白。結局、「カタカナ表記のがかわいいし、せっかく女装するなら、かわいくあってほしい」との願いから、「オトコの娘」になったことを明かした。窪田監督の「マイノリティーの世界で戦う人に対して、僕は尊敬の念が強い。この映画で、一歩踏み出す勇気、新しいことを始める勇気を、見て、感じてもらいたい」という言葉に、会場からは大きな拍手が巻き起こった。(取材・文:尾針菜穂子)
映画『僕の中のオトコの娘』は12月1日より銀座シネパトスほかにて全国順次公開予定