スタジオジブリがまじめに「ヤンキー」を考える AKB48もヤンキー!?
11月10日に発行されたスタジオジブリの小冊子「熱風」第10巻第11号で、「ヤンキー」についての特集がされた。それによるとAKB48ヒットにも、ヤンキーが関係しているという。
スタジオジブリ最新特撮短編『巨神兵東京に現わる 劇場版』場面写真
同誌の中で、ヤンキー文化研究者である難波功士氏は、オタク文化研究者である濱野智史氏と対談した際、濱野氏が「AKB48ファンのある部分はヤンキー」「AKB48ブレイクの要因の一つには、適度にヤンキー・フレイバーをまぶし、ヤンキー・キャラのメンバーを擁した点があげられる」と語っていたことを紹介。「これまでオタクとヤンキーは『水と油』と思われてきたが、すでに両者はかなりの融合を遂げているようだ」と分析している。
また、「世界が土曜の夜の夢なら ヤンキーと精神分析」の著者・斎藤環氏とスタジオジブリのプロデューサー鈴木敏夫氏、プロデューサー見習いの川上量生氏の対談では、スタジオジブリとヤンキーの関係性についての話も。川上氏が「鈴木さんはヤンキー体質ありますよね(笑)」と話し出し、「よく日本の新聞は『インテリがつくって、やくざが売る』って言いますけど、『オタクがつくって、ヤンキーが売る』のがジブリですよね(笑)」と指摘。鈴木氏は、宮崎駿監督が吉田聡の暴走族漫画「湘南爆走族」を愛読していたことを明かし、それについて斎藤氏が宮崎監督が以前、「湘南爆走族」について鋭い指摘をしていたことに言及。宮崎監督の中にもヤンキーの資質があるのでは? と語り合っている。
そのほか、漫画「硬派銀次郎」「サラリーマン金太郎」の著者・本宮ひろ志氏のインタビュー、漫画「だめんず・うぉ~か~」の著者・倉田真由美氏、音楽評論家・市川哲史氏のそれぞれの「ヤンキー」に対する考察を掲載した同誌。木下優樹菜など、元ヤンキーを公言する芸能人が人気を集め、エイベックスが「ヤンキーアイドルオーディション」なるものを開催するなど、近年再び注目されつつある「ヤンキー」。スタジオジブリが発行する小冊子が迫った「ヤンキー」と日本文化の関係に、これまでの「ヤンキー」のイメージを変える人も多いことだろう。(編集部・島村幸恵)
小冊子「熱風」はスタジオジブリ関連書常設店、三鷹の森ジブリ美術館ほかにて無料配布