橋本愛、この仕事が好きじゃなかったと告白し涙…自分を変えた『桐島』との出会い語る
23日、多摩市のパルテノン多摩をメイン会場に市内各所で行われている映画祭「第22回TAMA CINEMA FORUM」内で「第4回TAMA映画賞授賞式」が行われ、『桐島、部活やめるってよ』で最優秀新進女優賞を受賞した橋本愛が涙を浮かべながら受賞の喜びを語った。
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「TAMA映画賞」は、「明日への元気を与えてくれる」「夢を見させてくれる」活力あふれる活きのいい作品・監督・俳優を映画ファンの立場から感謝をこめて表彰しよう、という趣旨で行われる市民映画賞。今回の最優秀作品賞を受賞した『桐島、部活やめるってよ』は、作品賞のほかに、神木隆之介が最優秀新進男優賞、橋本が最優秀新進女優賞を受賞している。
壇上に立った橋本は「すごく素直にうれしい気持ちでいっぱいです」と笑顔を見せる。本作は橋本にとって特別な作品となったようで、「私、この仕事が全然好きじゃなかった時期があって。でもこの現場にいた人たちと出会えたことで、やっと(この仕事が)好きになれました。この仕事をやる意味がやっと見つけられて、やっとお芝居を愛することが出来るようになりました」と正直な思いを吐露したが、感極まったのか、みるみるうちにその瞳に涙があふれてくる。その姿を見た客席から「愛ちゃん!」「(出演作は)全部観たよ!」といった声援が送られた。
さらに「私、この映画が本当に大好きで。出演者としてもそうだけど、お客さんの立場としても、観終わった後にこの映画が自分の血管を巡るような気持ちを感じて。そういうことは初めてだったので、本当に幸せでした。やっと愛せたことを大事にしたいし、その大事なこととできるだけ長くつながっていけるように頑張っていこうと思うので、これからもよろしくお願いします」と決意を語る橋本に会場からは大きな拍手が送られた。
まさに橋本の人生観をも変えてしまった本作。ネット上などでも「近年の青春映画の中でも最高傑作」と絶賛する声が多数寄せられるなど、まさに本作は“桐島現象”と言うべき広がりを見せている。その熱量は吉田大八監督自身、強く感じているようで、「映画がきっかけになったんでしょうが、みんなの(学生時代の)記憶とか、ふたをしていたものが開かれて放たれる人が多くて。皆さん、桐島の話をしているはずなのに、いつの間にか自分の高校時代の話をし始めている。大変なことをしたのかなと思う瞬間がよくありました」と驚く一幕もあった。(取材・文:壬生智裕)
■第4回TAMA映画賞の受賞結果は以下の通り(受賞作品・受賞作品)
最優秀作品賞:『この空の花 長岡花火物語』(大林宣彦監督およびスタッフ・キャスト一同)
最優秀作品賞:『桐島、部活やめるってよ』(吉田八大監督およびスタッフ・キャスト一同)
特別賞:塚本晋也監督&Cocco(ありあまる母性によって自らが破たんしていく『KOTOKO』の壮絶な女性像に対して)
特別賞:入江悠監督およびスタッフ・キャスト一同(映画界に新風を巻き起こした「SR サイタマノラッパー」シリーズの快進撃に対して)
最優秀男優賞:役所広司(『わが母の記』『キツツキと雨』『聯合艦隊司令長官 山本五十六 -太平洋戦争70年目の真実-』)
最優秀女優賞:樹木希林(『わが母の記』)
最優秀女優賞:宮崎あおい(『わが母の記』『天地明察』『おおかみこどもの雨と雪』『ツレがうつになりまして。』)
最優秀新進監督賞:ヤン・ヨンヒ監督(『かぞくのくに』)
最優秀新進監督賞:沖田修一監督(『キツツキと雨』)
最優秀新進男優賞:神木隆之介(『桐島、部活やめるってよ』『劇場版 SPEC~天~』)
最優秀新進男優賞:満島真之介(『11・25自決の日 三島由紀夫と若者たち』)
最優秀新進女優賞:前田敦子(『苦役列車』)
最優秀新進女優賞:橋本愛(『桐島、部活やめるってよ』『アナザー Another』『HOME 愛しの座敷わらし』など)